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4月22・23・24日
霜まよふ空にしをれし雁がねの帰る翼に春雨ぞ降る(藤原定家)
冷たい雨が降る中、春日井まで仕事に行く。帰宅すると風邪薬を喫して病臥。しかしたれこめて春の行方知らぬもまた春の風雅と「徒然草」も言つてゐる。外は雨。ひんやりと静かに。外界を閉ざしてゐる。
咲く花に心をとめてかりがねの帰りわづらふ曙の声(惟明親王)
今日は雨で冷え込んでゐるが、明日からは初夏を思はせる気候になるらしい。気温の乱高下は体にさはるけれど、また季節が巡らうとしてゐる。掲出歌の花は桜だらうがチユウリツプなど、今、見頃の花も多い。
春惜しむすなはち命惜しむなり(石塚友二)
今日は全国的に夏日になつた。私の住む東海地方でも。春のよい時期はすぐに過ぎ去つてしまふのだなと思ふ。何となく不穏な世情の中、時が流れていく。殺伐とした事件が多い。