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4月4・5・6日
野の中に姿ゆたけき一樹あり風も月日も枝に抱きて(斎藤史)
今日は二十四節季の清明。しかし、昨日から今日にかけ、日本列島を春の嵐が襲ひ、恐ろしかつた。しかし、名古屋にやつてくると鶴舞公園は桜が咲き、お花見がさかん。掲出歌の明るさを思ひ出した。
春霞たなびく山の桜花見れども飽かぬ君にもあるかな(紀友則)
しばらく桜の歌をお届けしたい。この歌は上の句が序詞になつてゐて、美しい桜のやうに飽きることないあなたへの恋心よ、と心のときめきを歌つてゐる。花も恋も真盛り。春。
桜咲く遠山鳥のしだり尾の長々し日も飽かぬ色かな(後鳥羽院)
仕事場への道はコブシが満開になつてゐた。新年度、新学期が始まり、私の周りも新しく動きださうとしてゐる。また一年、一日一日を大事に過ごしていきたい。掲出歌は昨日の紀友則の歌を本歌取りした傑作。