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5月22・23・24日
病葉や鋼のごとく光る海(飴山実)
あら情けなや。気温が高くなつてきたことに耐へられなかつたのか倒れてしまつた。好きなパン屋さんのパンも食べられず、行きつけのステエキハウスに行く元気も出ない。病臥。自律神経が悲鳴を上げてゐる。
運ばるる氷の音の夏料理(長谷川櫂)
病院で診察を受けるが暑さに慣れるまで時間が経つのを待つしかないとのこと。薬も処方されない。しかし午後横になつてゐて、夜は冷たいおそば、天ぷら、天むすを食べられるぐらい回復した。明日からまた頑張る。
たちばなのにほふ辺りのうたたねは夢も昔の袖の香ぞする(俊成卿女)
最近、精神的不安定と言ふか、昔のことをよく思い出す。同級生に子供が生まれたり、孤独な自分の運命を見つめるのかもしれない。しかし掲出歌は美しく追憶の世界を描く。たちばなは過去を象徴する花。その香りは過去を呼ぶ。