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5月1・2・3日
目つむりてゐても吾を統ぶ五月の鷹(寺山修司)
寺山修司の心の中には常に五月の鷹がゐたと言ふ。五月の鷹とは何なのだらう。詩歌の象徴、父への想ひ、いろいろ解釈はあらう。また五月は母の日があることも関係あるのかもしれない。一代の文学・芸術の英雄寺山修司は時代を駆け抜けた。
風光りすなはちもののみな光る(鷹羽狩行)
ゴオルデンウイイク半ば、少し天気が崩れて、風光る(春の季語)とは行かぬが街は明るい雰囲気である。明日から四連休。夕方の街は人々でざわめいてゐた。ものみな光る季節。
をりをりのその笛竹の音絶えてすさびしことの行方知られず(建礼門院右京大夫)
今日は山口県下関の赤間神宮で先帝祭が行はれてゐる。安徳帝と平家一門の魂を鎮める御霊信仰の祭りである。建礼門院右京大夫は平家一門を代表する歌人であつた。今年の源平合戦の大河ドラマは不評だが、書物の中の源平合戦の方が胸に迫つてくる。