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エピローグ

しばらくして都心の一角にサンドウィッチ屋がオープンした。

連日テレビでも取り上げられ話題になっている。

「八雲。で、なんでここなんだ?」

「さぁ、僕に聞かれても美咲の方が情報通でしょ」

「ここが一番安全だからじゃないですか?」

「花さんまでそんな事を」

目の前には抜ける様な白と目の覚めるようなオレンジで彩られ店名には『Arancia Rossa』と書かれている。

「でも、お世辞抜きで美味しいのよね。ここのフルーツたっぷりのサンドウィッチとブラッドオレンジのジュースはこのお店を記事にしたら炎上したんじゃないかってくらいコメントが来たもの。それにあの店員は反則よね、噂じゃ何処かのプリンセスなんじゃないかなんて憶測が飛び交っているもの」

「あはは、まぁ事実ですけどね」

「本当に皇君が大物に見えて来たわ、課長なんか鳴りを潜めちゃったものね」

「それは僕の責任じゃないですよ、むしろ美咲じゃないですか」

「私が何だって?」

「美咲さん! そんなところで油を売っていないで仕事をしてください!」

「私は地下の番人だぞ。何ゆえに上で仕事をしなくちゃいけないんだ」

「人手が足りないんです、仕方がないでしょ」

美咲が僕に突っ込みを入れようとして後ろから呼ばれた。


そうここは泣く子も黙る桜田門、正面玄関の目の前だった。

木々に囲まれ木陰が出来て太陽の光は優しい。

店の前には人だかりが絶えない、お蔭でついでに来庁する人も増えた。

「さぁ、仕事に戻らなきゃ」

「それじゃ、僕も」

「皇君はあっちでしょ」

「あの、激しく遠慮したいです」

花さんが正面玄関と反対の方を指さす。するととびっきりの弾けた声がした。

「ダーリン!」

「あはは、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

花さんに見送られて白とオレンジのお店に向かう。

そこには栗毛色の髪を一つに纏めオレンジ色のエプロンをしたグリーンの切れ長の瞳を細めて手を振るリーナが嬉しそうにしている。

僕が歩き出すと待ちきれずにお客さんを待たせたまま店から飛び出して僕に抱きつきキスをしてきた。

「もう、ダメでしょ」

「お手伝い!」

「はいはい」

「返事は一回!」

「了承」

リーナに手を引かれお店に駆け込む。


花さん曰く、綺麗なリーナも人気だけど時々手伝っている男の人にも密かにファンが多いらしい。

こんな冴えない男の何処がいいのか……

焼きもち焼のリーナには今のところ内緒の話。



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