入学試験2
ロッセロ学院は、宇宙技術の最先端の機能を備えたトレーニングルーム、他の惑星や次元に飛べるディメンションワープゾーン、日頃の疲れや遊びに使えるレジャー施設を兼ね備えている。
また、オリンポス学院や、ティターン学院、八百万学院の三大神学院にはかなり劣るものの、普通に暮らしている分には十分すぎる施設がある。
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教室に、動物園から逃げ出した大きな顔をしたゴリラが入ってきたと思ったら、人だった。
「今回、試験の総責任者となった熊田五郎だ。」
何が熊田だよ。くまちゃんはもっと柔らかい顔をしてるんだよ!
おまえはゴリラだ。ゴリラ。「熊田ゴリラ」だ!
「ふっふっふっふっ。」
笑いを堪え切れずに、声に出てしまった。
「おいそこの、ライオンの鬣みたいな頭をした小僧。なにがおかしいんだ?」
何がライオンの鬣みたいな頭をした小僧だ!
お前にだけは言われたくない!
でか顔ゴリラが!
それに俺には「狩桐渉」っていう名前がある。血液型がB型しかないどこかのばかに小僧なんていわれたくなによ!
また、笑いを堪え切れずに、声に出てしまった。
「おい、小僧お前の名前はなんて言うんだ。」
「狩桐渉ですけど。」
「狩桐渉か。覚えておこう。まぁ、多分お前とは、もう合わないだろう。この試験お前は落ちるんだからな。狩桐渉。」
絶対受かってやるからな。このでか顔ゴリラ君!
「これから、今回の試験のチームを発表する。試験の合否は一人でもルールを破ったりリタイヤしたその時点で、連帯責任としてチーム全体が不合格とする。逆を言えばチームが一丸となって頑張れば、余裕で全員合格ってことだ。ここまでで、何か質問があるものはいるか?」
「はい。熊田先生。」
「そこのお前なんだ?」
誰が手をあげたかと思ったら、健一だった。
「チームは自分たちで決めちゃ、いけないんです?」
「なんだ?組みたいやつでもいるのか?」
「狩桐渉くんです。」
「狩桐渉?あ~。そこにいる小僧のことか。まあいい。お前と狩桐は特別に組ませてやる。」
「ありがとうございます。」
「あとは質問あるやつはいないな。」
「・・・・・・」
「それじゃ、チームを発表する。チーム人数は4名。チーム名は今試験に限り、仮にA班・B班・C班・・・・・・K班とする。11班の中で合格するのは何班かは決まっていない。お前らの結果次第では、全班受かるかもしれないし、落ちるかもしれない。」
なんか変なルールだな!
「呼ばれた奴から、班ごとに並んで、ディメンションワープゾーンの前で待機していろ。まずはA班、清水香。フランク=ベンソン。キム=ヨンス。川田真美。B班は佐藤里奈。水木恵理子。伊東峻。工藤学。・・・・・・最後に、K班、九龍健一。渡辺七海。安藤佳苗。狩桐渉。」
「健一。俺と一緒になって大丈夫か?お前落ちるかもよ。」
「大丈夫ですよ。渉くんとの付き合いは長いですから、一番連携を組みやすいので頼りにしていますよ。」
健一のやつ、見なおしたぜ!
いいやつだな!
「まぁ、それに渉くんがミスを犯しても僕がどうせカバーしますから。」
前言撤回!死ね。この「ガール・ハンター」が。ドヤ顔して言ってんじゃねーよ。
「あの~~」
何か可愛らしい声がしたと思って、その声が聞こえた方を振り返ってみると、金色の髪の毛で、碧眼な女の子がいた。
「すみません。話の途中でしたか?」
「全然。こんな奴は知らないし、話したこともありません。」
「ひどいですね。渉くん。君と僕はあんなことまでした仲じゃないですか。」
「あんなこと~~?」
「おい、健一。誤解されるようなことを言うんじゃねーよ。ごめんね。ところで、君の名前は?」
「ご紹介が遅れました。私の名前は、渡辺七海です。年は12歳。血液型はAB型。出身惑星はアニマルネーチャー。特技は動物とのコミュニケ―ション。それからそれから・・・・・・」
「もういいよ。そこらへんで。僕の名前は狩桐渉。それでこっちのイケメンが九龍健一。迷惑をかけるがよろしく。」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
「ところで、残りの一人の安藤佳苗さんは?渡辺さん。途中であいませんでしたか?」
「まだ、来ていないみたいですね。ごめんなさい。会ってません。」
「まずいな。もう直ぐ集合時間なのに。」
「もしかしたら、先にディメンションワープゾーンに行っているかもしれませんね。僕らも、行ってみましょう。」
「まぁ、ここにいて遅刻するよりはましか。それじゃ、行くか。」
「はい。」
三人はディメンションワープゾーンに向かった。
前回よりは、面白くなったとおもいます。
次話で、やっと戦いのシーンがでるとおもいます。