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勇者の器  作者: 黄金えと
1/1

プロローグ


 ――(おおかみ)は見ている。


 目の前で(おのれ)から逃げようとする弱者(じゃくしゃ)を。


 (ふる)えている。いかにも恐怖(きょうふ)でいっぱいだ。



 そらっ、背を向けて逃げるぞ……キタッ!!



 ――ガヴルッ!ガヴルルッ!!



 ずっと(こわ)いヤツらに(くら)いところに()()められてた。たまに()られても、またすぐ閉じ込められてた。



 イマは(ちが)う!体が!血がとてつもなくハヤイ!チョット(ちか)くにいくと…ホラァ!ニゲダシタ!!


 (かべ)(かこ)まれた円形(えんけい)の中を弱者は必死に走る。


 狼は、ニタァ…と広がった口の(はし)をさらに引き上げて、弱者を追う。


 ハッ、ハッと(いき)(あら)くして、四つの足が地面(じめん)をおもいきり()()ねる。



 タノシイ!タノシイ!カンタンなオ肉(おにく)を追いかけるの!キモチイイィッ!


 ヴァン!と吠えると弱者は(ころ)び、(あと)ずさりをした。



 ア~~~~~~タノジイ!ゴハン!ゴハンッ!


 さらに大きく口角(こうかく)を上げ、その流れで口を(うす)(ひら)く。いやらしく光る(きば)の中に、ポワァ~と()がともった。



 マズは、アツくする。アツくしてヨワラセル。


 そう計画(けいかく)すると、狼はゆっくりと(ねら)いを小さくおびえる弱者に(さだ)めた。



 ボァン!!


 (たて)に大きく()いた(あご)から(いきお)いよく()(たま)が放たれた。火の球は(ねら)(どお)りの(せん)をなぞり、そして――



 ズ  バ



 分裂(ぶんれつ)した。


 アレ?おかしい。



 ジ ャ キ ン !


 ――エ?


 狼は(おどろ)くよりも先に考えていた。


 自分の体に“正面から”向き合っていたからだ。これはあれだ。自分の(つめ)でよくやるやつ。


 アツイのを、斬られた。


 自分がされてようやく、火の球がどうなったかを理解(りかい)した。


 狼は結局(けっきょく)、自分が斬られたことまでは驚くことができなかった。



 強者(きょうしゃ)は、魔法(まほう)魔物(まもの)を斬っていた。

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