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転生悪役令嬢の筋肉無双  作者: 無印のカレー
ファーストイベント★きらきら★♪ときめき恋の夏合宿編♪ ♥〜ドキドキが止まらないっ〜♥

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69話 水辺ダンジョン

自然に穿たれた洞窟は、明らかに人ならざる意志によって手入れされていた。


壁は不自然に滑らかで、砂と岩が混じるはずの地面は、不自然なほど均されている。


クラリッサは一歩前に出ると、ほとんど反射的に素早く視線を走らせた。


魔物の出現ポイントを一瞬てあたりをつけるためだ。


右、天井の裂け目。

左、岩陰の死角。

奥、通路がわずかに曲がるその向こう側。


──根拠は経験と勘だ。

(まあfps得意だったし。)


「足場も悪いし、まずは無難に陣形を組みましょうか。」

「そうですね。わたくしが前衛をやりますね。」


「お願いマリア。

リーシャは真ん中。何かあったら合図するから、出来る範囲で索敵よろしく。」


「何やら本型的なんだけど、私ってあんまり索敵得意じゃなないんだけど……」


「できる範囲でいいから。慣れて。」

「う、うん。」


壁際には、潮に削られた岩柱が林立し、自然の浸食を装いながら、配置はあまりにも整いすぎていた。


床は岩盤だが、ところどころに浅い水溜まりが点在し、踏み込むたび、時々鈍い水音が返ってくる。


空気は重い。


――ここで魔物が現れれば。足を滑らせたり、万が一転んだりしてしまえば……


ごくり。

リーシャは思わず唾を飲み込む。


そしてリーシャの杖に光がともる。

光りは三つ。


探知。

結界。

バフ。


リーシャは同時並行して3つの魔術を立ち上げていた。


クラリッサは完全に呆れていた。


「ねえ。リーシャ。慣れてないとか噓でしょ。」

「ええ!?!?だってこわいもん!!!!」



リーシャの杖から5つの光が立ち上っていた。


探知、結界、バフ、そして回復と環境解析(罠を含めた地形把握)


「ねえ、リーシャ。

ビビり過ぎじゃない?」


「……これでも足りない気がする……」


「流石は平民出身の天才ね。貴族にこき使われる運命が見える。」

「て、天才じゃないから!!やめてっ!!」


リーシャはラーニングシステムを持つ。

先日のリーシャの件から、日を置かずして、クラリッサは、兄であるセドリック・グランディールにお願いして、あらゆる魔術をリーシャにラーニングしてもらっていた。


とはいえ。


とはいえだ。


クラリッサは、内心でリーシャの魔術運用に正直にひいていた。

──こいつ、どれだけ魔術操るんだよ。マジで。

(頭の中どうなってんだ。)


歯磨きしながら、パソコンで小説書いて、

さらに仕事しつつも、ゲームのログインミッションこなしながら、電話するみたいなもんだぞ。



──ここから、さらにキスによる覚醒イベントもあるのか……


リーシャは魔術師だ。

今後は様々な経験を積み、運用技術を磨いていくことで一流の魔術師になっていく。


「もう、いいよね。

このままいくからね?魔力持つ限り絶対解かないからね!?」


「余裕ありそうね。」


「ない。

うん。絶対ない。うん。そんな気がする。」


まだいけるんだ。




学生は、班単位で行動し、成績は順位として後で提示される。


成績は実技中心。

倒した魔物。探索調査結果。採取した物品などが成績査定の基準となる。


クラリッサ達が所属している第一クラスは、学年、そして学校の中でも特に注目されている。

そして、その第一クラスの中でも、さらにヒエラルキーがある。


最も期待されているのが、第二王子アルヴェルトの班だ。


次に獣人リュカ・グレイファング。

留学生で、獣人の国のいいとこの倅。


以下、有名な貴族の名前が続いていく。


クラリッサ・グランディールの班は、平民が2人いるのでそこまで求められていない。






出てきた魔物は、数を頼みに襲いかかってきた。


前衛であるマリアは一歩、前に出ただけだった。

剣を大きく振ることはしない。

最短の軌道で、必要なだけ刃を走らせる。


魔物たちは、戦闘にすらならず崩れ落ちた。


マリアは呼吸を乱すこともなく、剣先の血を軽く払う。

視線はすでに次の通路へ向いている。


「んー。魔物は、水棲タイプも多いかな。」


「慣れてない学生さんだと、厳しいかもですね。」


「さすがに戦闘については、マリアに任せるから。

剣持ってないし。私。」


「いえ、お嬢様。それはいつもです」


リーシャは口を開けていた。


「あんがー」


「どうしたんですか?

リーシャちゃん。鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしてますけど、」


「な、な、な……なんでマリアさんが、そんなに強いの!?!?

あと2人がすごすぎて、わたし、全然役に立ってない。」


「そんな事ないですよ。

リーシャちゃんの魔法で大分スムーズです。

あと強さの理由ですが、アルシェリオン王国では、レベル制の改革が起きています。

グランディール領はその最先端ですから。メイドだってその恩恵にあずかれるんです。

わたくしもグランディール家のメイドなので。

リーシャちゃんも、うちの領でレベル上げの儀式をうけたじゃないですか。」


「確かに受けたけど……いやそんな規模の話じゃなかったような。

動きが見えないんだけど。

気づいたら魔物が細切れに……」


「短冊斬りですね。大根を切るときの応用です。

レベルは魔物を倒せば上がります。折角ダンジョンにきたので頑張りましょう。」


「う、うん」


「あ、ごめんミスった。」


「ひいっ!!」


ぐしゃっ──!!

リーシャのすぐ目の前でゴブリンの頭が弾けた。


「ごめん、ごめん。ちょっと油断した。

ちょっと処理してくる。マリアはここでリーシャの護衛。」


「かしこまりました。」


そうしてクラリッサは、素手で魔物の群れの中へ消えた。




潮喰いゴブリン《タイド・ゴブリン》

岩陰這い《シェル・クリーパー》

潮爪獣リッパー・オブ・タイド

といったところ。


拳が、顎を打ち。腕を伸ばして掴むと壁と叩きつける。

あるいは投げ捨て、骨が耐えられない角度で、関節が逆に折れ、地面が踏み込みと同時に沈む。


魔物は、悲鳴を上げる。

半ば恐慌状態と言ってもいい。

動いてるものが減っていく


やがて――

動いているのはクラリッサだけになった。


リーシャは腰が抜けていた。

「リーシャちゃん。手を」

「あ、ありがとマリア。

……ねえ、クラリッサさんのあれも、レベルなの?」


「違います。」

「違うんだ。」


「お嬢様に関しては、純然たる筋力です。」


いや、おかしくない?






リーシャは頑張った。


頑張って魔術を並行で発動しながら

頑張って魔物も倒した。


凡百の魔術師は限界を迎えるところ、それを維持したまま、魔物と向き合った。


フォローは完璧だった。


一体目が踏み込む前に喉を断たれ、

二体目は盾に当たった反動ごと斬り伏せられる。

三体目が魔力を溜めるより早く、踏み込み一閃。


音も、時間も、ほとんど残らない。


鎧袖一触。


クラリッサは途中から飽きて、石を投げて魔物を破壊していた。


それだけで、頭部が潰れ、胴が歪み、岩壁に叩きつけられて沈黙し、魔物は砕けた。



そんなふうにして進み。

そこについた。


ダンジョンにおける、その階層の最奥。



階層主の間



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