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転生悪役令嬢の筋肉無双  作者: 無印のカレー
学校入学。乙女ゲーム開始

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58話 学園編

邪竜リンドヴァニル。

竜の中でも悪名高き、邪竜。


多くのものが竜に挑み、散った。

ドラゴンキラーが、霞むほどに、邪竜は多くの英雄を葬り去り、災厄の名をままにした。


挑むはマリア。

職業は冒険者。

所属はグランディール領、メイド。

齢は18歳。


剣は、白銀の光を宿す長剣。

鎧は、ミスリルを幾重にもを重ねた甲冑。

外套は深き蒼。

兜には宝珠。

王国が許した、最大限の守り。王国最高峰の装備。

それを翻す。


だが、竜はその王国の装備を持ってしても灰と化するほどに、強い




ゴウッ!!!!


竜のブレスが周囲を洗った。

それだけで大地が結晶化する。


王国装備のエンチャント。

仲間の防御魔術が薄氷のように重なる。

そして気合い。


マリアは、そのブレスを自身の高レベルの耐久力で突っ切る。


彼女は止まらない。


流れる血を拭いもせず。


「約束通り、これで終わりです!!!わたくし、帰りますので!!!」



マリアが竜の喉元にその刃を叩き込んだ時、それは新たなるドラゴンキラーの誕生を意味した。




山が崩れるように、神話が終わるように横たわる骸の前で、熟練の王宮騎士が、慎重に言葉を選んでいた。


血に濡れ、装備を損耗させ、それでも剣を手放さない、未だ肩で息をする一人の少女に向けて。


「なあ、本当に帰るのか?まだ俺達やれるぜ!」


マリアは振り返らなかった。

称賛に対しても、心配に対しても、竜の骸に対しても。

一切。


「お言葉は本当にありがたいです。

でも帰ってくるんです!!お嬢様が!!

なのでメイドに戻ります!!グランディール家に!!

お嬢様のところに!!」





凝固しつつある血が、大地を黒く染め、なお残る熱が空気を歪ませる、山のような竜の死体。


そこへ至るまでの道筋もまた異常な難易度であり、踏破だけでも相当に偉業。

溶岩狼、災熱スライム、竜骨守り──が徘徊する、灰燼の巡礼路と呼ばれるその回廊。


彼らは来た道を引き返していく。


黒く焼けた岩肌の向こうに、ようやく人の道が姿を現す。

灰燼の巡礼路――その入口。そして入口であり、出口。


冒険は終わった。


仲間達の喧騒から、一歩だけ距離を取ってマリアは立つ。

そして兜を抱え、頭を下げた。

「バルドさん。お世話になりました!」


「今回はマジで死にかけたぜ……3年前のあの時並にやばかった。」


「ふふ。」


「マリア。マジで世話になった。

何かあったら、声をかけてくれ。

すぐに駆け付けるからよ。

なんならいつでも戻ってこい。

背中を任せられる前衛ってのは、すげえ貴重なんだ。」


「はい!だけどきっとお嬢様は、バルドさんに会いたいと思います!!」


「まあ、達者でな。

嬢ちゃんによろしくな。」


「はい!!バルドさんも!!」


生還は凱旋を意味する。

凱旋し、名が呼ばれ、英雄譚が歌になる。

そして、彼らは事実として英雄になるのだろう。


マリアは、1人となり帰路を急ぐ。



石造りの建物に、分厚い扉。

それを開ければ、規則正しく並ぶ武器棚。


──グランディール伯爵領、領主館付属。その武器庫。


マリアは、竜狩りの装備を一つひとつ外し、丁寧に収納していく。


白銀の剣は、油を引かれた専用の掛け台。

ミスリルの鎧は、埃が付かぬよう布を掛ける。

外套は畳まれ、他の備品と同じ棚へ。


長剣、槍、斧など、訓練用から実戦用まで、領兵が日常的に扱う装備が整然と収められている箇所と同じ所へ。


余韻はないと言えば噓だ。

3年だ。

短いようで長かった。

一緒に駆け抜けた。必死で。


だけど。


マリアは、頷くように整然と並んだ棚を見渡す。


だけど、それでも。


もうそれを決めていた。

もう十分。そう思うと、マリアは静かにその扉を閉めた。




小さなメイド控え室。

簡素な長椅子と姿見、そして隅に置かれた自分用の、年季の入った木箱。


マリアはその蓋を開け、白布に包まれた一着を取り出す。


袖を通し、彼女は、出迎える。そのメイド服を着て。


主を。


彼女の主は、馬車から降りた。


呼ばれた名は、短く、いつも通り。

命令でも、感慨でもない調子。


「マリア。」


「お嬢様。お待ちしておりました!」


「体の具合を確かめます!すぐに準備を!」


「はい!!」


「あと馬車の修理を!!筋トレやりたすぎて、手すりをぶっ潰しました!!」


マリアは固まった。


──手すりをぶっ壊したので馬車の修理してくれ。

流れるように放たれる、破壊力のあるフレーズ。

そして当然のように差し込まれる、謎のタスク。


──この理不尽な感じ。全く変わってない!

まるで昨日も顔を合わせていたかのような距離感。


マリアは、ゆっくりと息を吐き、ほんのわずかに口元を緩めた。





「手すりはそんな簡単には潰せませんから!!!お嬢様!!!」

素直にそのまま魔王戦線編かけば面白くなるし、数字も取れそうではあるのだが。

学園編です。

学園ものを書いたことないのでこの機会に。


よろしくお願いします!

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