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転生悪役令嬢の筋肉無双  作者: 無印のカレー
後編。海合宿収拾編

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111/133

110話 クラリッサのイベント完全エンディング

クラリッサは、改めて設計図を叩きながら説明をしていた。


仕組み作り、

権限を分散し、

暴走時の制御を組み込み、

そして監視する。


世界を壊しかねない水精霊の力を制御する規模で、それら設計を行う。


それら全ての条件を満たすには、島のリゾート化以外ない。

一択だ。




「まあ妥協案。

あくまでも暴走や休眠を防ぐ仕組み。

完全な状態の維持を目指すものではない。」


「妥協案……?」


「リゾート地化した島の来場者に、嫌でも水精霊を信仰してますって言わせる仕組みを作るのよ。

人間って都合がよくてね?言ってりゃ嘘でもそのうちそれが本当の信仰になるの。

それも無料で。

ここ重要ね。


それを貴族権限でそれっぽく装飾して、本当の信仰にしたてる。

100回言えば、嘘も真実になるが合言葉で、まずは信仰動線確保のための仕組みをルール化をする。」


それを聞いて、水精霊はきょとんとして、頷いた。


クラリッサは腕を組み、設計図の端を指で叩いた。



精霊と信仰は深い関係にある。


休眠状態にある、精霊を目覚めさせてくれるリーシャみたいな存在がいつもいるとは限らない。


リーシャが太陽だとするなら、信仰は月だ。

月でも休眠状態は防げる。



──それに精霊案件だ。

(この問題は、政治と宗教が絡む。

教会勢力への気遣いも忘れてはならない。

なんならもう、その辺の言葉や利権は全部教会勢力に任せるくらいでもいいかもしれない。


信仰の言葉。

儀式の形式。

神学的解釈。


くそめんどくさい。揉めがちだし。)


──とはいえ管理の手綱だけは離さない。

(管理はトレザール家だ。ここは譲らない。

グランディール家の影響力も残せるし、後ろ盾はアルヴェルト第二王子勢力と聖女有するセレスティアの教会陣営。

誰も何も言えまい。)


ふふん。





城のような別荘を建設し、

景観を崩さないようにショッピングモールと宿泊施設と、港を用意。


アルシェリオン王国史上最大の無人島リゾート地計画。


その全てに精霊への信仰行為を用意する事で信仰を確保する。


さらにいえば、利益率を最大化するためには、最初の設計は大事と言えるだろう。


トレザール領の海岸線の開発を終えた海産物も特産品にする。

さらに船を使えば、世界を相手に集客が見込める。




──神ですら例外ではない。必要なのは、構造と制度。


(水精霊は世界の水循環を司る精霊。

その力は海を動かし、

雨を呼び、王国を沈めることすらできる。


そのための運用には、精霊を休眠させず、孤独にさせず、力の流れを制御し続ける仕組みが必要。

つまりルール化以外ない。


人々が水の精霊を祀り、

人々が絶えず訪れ、

祭りと祈りが絶えず行われ、

神殿と街が共存し、

常に誰かが見ていればいい!!)


ジャスティス、イズ、パワー。

パワーイズジャスティス。



かくして、一気に島の整備は進んだ。


グランディール領兵1000人のレベルの暴力を用いて、まずは戦闘の跡を完全に消化する。

巨大な杭を打ち込み、崩れた地盤を固め。海岸には防潮の石壁を並び敷き詰める。


瓦礫を運び、岩を削り、森の跡地への新たな苗木の用意。




戦闘の後が瞬く間に回収され、

クラリッサを囚え、世界の水位上昇の原因になったその沖合の島は、アルシェリオン王国が誇る一大リゾート地へと改修する下ごしらえを終えようとされていた。


宿泊施設や、設備を利用するためには、水精霊に信仰を意味する祈りを捧げる必要がある。


まずは海岸線と島の地盤。

次に水路。

そのあと神殿。

最後に宿泊施設……





「さて、セレスティア。

追加の政治調整ね。

それに今後は年数回はあなたや聖女候補の誰かは島に来る必要がある。聖女は奇跡の象徴だから。

あとリゾート地の利益率計算したから。」


「仕事増やす気ですか?

そもそも、もう帰らないとまずいのですが。」


「精霊が安定して、信仰が維時されて、奇跡が発生するのも仕組みの一部なのよ。

数年は様子みないとやばい。

聖女の巡礼が制度化すれば、教会も王都も黙る。

巡礼税と宿泊税で王家にも利益が出るし、神殿管理は教会に渡す。

その辺でセレスティアをもう少し拘束できそうなの。

王都や教会は、それで黙ると思うから。」


「ねえクラリッサ。

まさか……この流れを最初から狙ってました?」


「……」


沈黙は、是を地で行っていた。


セレスティアは頭を抑えた。


「ねえ。クラリッサ。

あなた、その叡智を、もっと素直に人々のために活かしたらどうですか?」


「活かしてるじゃない。

あなたを犠牲に。

宗教の顔は教会に渡す代わりに、収益管理はトレザール領。

だけど地方のトレザールが儲かりすぎるのはやばいから、税を王家にも渡すのよ。」


「……」


いや、まーいんですけどね。

世界がよくなら、自分が少し働くくらい。


セレスティアは遠い目をした。


その働きを、完全に計算されきってることに目をつむれば。




領の復興作業への指示は迅速に出された。


沖合の島へは本島から、巨大な橋が架かっている。

ここまでセレスティアの地形操作術で道ができており、これを計画の大動脈として活かす。


途中、津波におそわれてたり、プラズマの照射で島の1部が削れているが、それも水精霊の信仰用のストーリーとして活用予定だ。神話の痕跡として残す。


そこの景観を利用し、高級宿泊施設を宿泊する。


オーシャンビュー。

崖の上から見下ろす。


崖もちゃんと補修済み。



全ての準備をグランディール領兵1000人の力を借りて、可及的速やかにすませていく。



リゾート地だけではない。

すでにいろいろ悪巧みを思いついていた。


──このへんは前世でもわりとよくあったからね。


(ポンペイ

原爆ドーム

火山跡

災害のブランド化ってね。)


恩を売り、恩を記録し。恩を思い出させ、いわゆる恩に着せて幅を利かせる予定だ。

さまざまな思惑に活用されることになるだろう。




島全体のインフラの設計図の難易度は高くなかったので、クラリッサが一気に仕上げた。


島は火山はあるが、精霊が復活したことで、制御できる。

海象は安定。

さらに巨大な橋もある。


水路、神殿区画、港湾、宿泊施設、巡礼動線。

すべての配置が整然になる形で。



リーシャは、水精霊の力をかなり制御していた。


潮がゆっくりと動き、

海面に柔らかな渦が生まれる。


リーシャが手を動かすと、

それに合わせて水精霊も動いた。


「こっちの流れ、少し弱くして。」

「うん。」


二人は、ほとんど遊ぶように海を整えている。



神殿はまだ建っていないが、作業員や兵士が泉の前で手を合わせていた。


小さな祈り。


だが確かに信仰が入り始めていた。

信仰が入り始めているので、心なしが水精霊もニコニコしていた。


「……あ。」


水精霊の表情が変わった。


「どうしたの?」

「悪魔だ。悪魔がきたの。かくれないと。」


クラリッサが来ると、水精霊は普通に逃げた。


「リーシャ。調子よさそうね。あのクソガキは?」


「クソガキって……

逃げちゃったよ。クラリッサさんが来ると制御が乱れて危ないかも。」


「ああ。逃げたのね。

まーいーわ。ちゃんと仲良くやってくれるなら。」


リーシャは思った。


(クラリッサさん。出禁状態じゃん。精霊にくそビビられてる……というか悪魔呼ばわりされてる……)


本人はどこ吹く風だった。





一大イベントがあった。


ドラゴンファング》の面子が帰る日となった。





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