上谷君と共同依頼
今日から生徒会メンバーと二人きりで依頼をしなければならない。
生徒会の活動なんですもの、真面目にやらなきゃ、脅されてもいるワケだし。
なのだけど......
『それではー!今日もー!盛り上げてイキまっしょーい!』
『ウェーイ!』
なんなのかしらこれ......
『アレ?ノリ悪いっスねフヨちゃん』
なんだか妙な呼ばれ方をしたような......
『フヨちゃんってもしや私のこと?』
『そっスよ?いやだったっスか?』
『せめて副会長にして頂戴』
『まんざらでも無いんスね』
『なっ......バカおっしゃい!』
『照れなくてもいいんスよ副会長ちゃん』
もしかしてナメられてるのかしら?
『それより上谷君、これはなんなの?』
『生徒会主催の合コンっスよ!』
みんなどうかしちゃってんじゃないのかしら......
『なぜ生徒会がわざわざ開くのよ』
『みんなに恋愛を楽しんで欲しいという生徒会長のイキナハカライっスよ!』
にしても合コンて、校長とか教頭はなにも言わないのかしら......
それはそれは楽しい合コンのあと、上谷君と生徒会室で二人きり。
『そういえば私達以外の三人来なかったわね』
『オレら二人での依頼に慣れてもらう為っスよ多分!これもまたイキナハカライ!』
覚えたてなのかしらその言葉、にしてもデカイ声出してた割に合コンには来ないだなんてね。
『薄情だと思っていいのかしら』
『それだけ期待されてるんスよ』
期待されても困るのだけど。
『そろそろ帰るわ、貴方は?』
『まだ残ってるっス、会計の仕事があるんで』
『手伝いましょうか?』
『平気っス、もう遅い時間なのに女の子をここに残すワケにはいかないっス!』
お言葉に甘えるとしましょう。
にしても明日から共同依頼なんてね。
夜の道を一人で歩き、考え耽る。
思えば他人と一緒に行動するなんてあまりやってこなかったから、少し不安になってきちゃった。
今日から生徒会メンバーとの共同依頼。
上谷君と二人で椅子に座り、依頼人と向かい合う。
『さぁ恥ずかしがらずに言っちゃっていいっスよ!』
『近江さんが清楚ビッチかどうか教えてくれませんか!?』
少しは恥ずかしがって欲しかったわ......
『あの副会長、なんスか清楚ビッチって』
『ウブそうに見えてヤることヤってる娘のことよ』
上谷君が興味深そうにしてるわ。
『私からも質問するわ、近江さんとは?』
『清楚な雰囲気から男子生徒に人気のある人っス、昨日の合コンにも来てたっス』
『清楚ビッチかどうか、上谷君知ってる?』
『いやオレもその辺は知らないっス』
今回も情報収集をするのね、まぁいいわ。
『それで貴方、もし清楚ビッチだと判明したらナニするつもり?』
『筆を下ろしていただきます!』
あら元気。
『さっさと帰ってヨガって寝なさい』
『ちょっとフヨちゃん!もうちょっと話聞いてあげましょうよ!』
『あのね上谷君、これはもはや恋愛絡みのお話でもない、性欲の話よ、この生徒会は性処理係ではないはずよ、あとフヨちゃん呼びやめて頂戴』
『まぁでもほったらかしていればナニするかわかったモンじゃない、だからオレら二人で対処するんス』
あらあら意外と冷静なのね。
『仕方ないわね、でもこの依頼人と近江さんを対面させるワケにもいかないわ』
『そんな殺生な!』
『それなら電話越しならどうスか!?オレ近江さんの電話番号知ってんスよ!』
『あらちょうどいいじゃない、貴方もそれでいい?』
『僕に話す機会を頂けるなら』
『決まりね、では上谷君、電話をかけて頂戴』
『おっノッてきたっスね!』
上谷君がご機嫌にも鼻歌を交えながら電話をかける。
その間に依頼人に忠告しておく。
『貴方に一つ言っておくわ、貴方がナニをしようと勝手だけれど、もしナニかやらかされても庇いきれないから』
『僕がそんな人に見えるのですか?大丈夫ですよ』
いや見えるかどうかではなくて、言動が......
『あっもしもーし!上谷君家の圭君でーす!』
繋がったようね。
『ほれフヨちゃん』
上谷君がスマホを差し出す。
『私がやるの?』
『これも経験っスよ』
仕方ないわね......
『お電話替わりました、私は哀抔符夜雨、生徒会副会長です』
『あっ近江遠子です』
穢を知らぬ可憐な乙女、といった声ね。
『単刀直入にお聞きします、貴女セックスしたことある?』
『ちょっとフヨちゃん!?』
依頼人の目がギラつく。
『急になんですか!そんなのしたことありません!』
『申し訳ありません、不躾でしたね』
『本当ですよ、全くはしたない......』
近江さんの言葉に呼応するかのように、依頼人が私からスマホを取り上げる。
それ人の物なんだから丁重に扱いなさい。
『はしたなくなんかないですよ!』
なんだか妙に熱くなってるわね。
『だっ誰ですかあなた!?』
『だいだいなんですか清楚に見えてホントに清楚なんて!僕を騙したんですか!?』
上谷君と目を合わせる、ここは私がやるわ。
『あっちょっと!』
依頼人からスマホを取り上げ、近江さんに謝罪する。
『すいません、彼は少し興奮しているようで、はい後程お伺いします』
『ちょっと邪魔しないで下さいよ!』
私の手で依頼人の頬を叩く。
『貴方も少しは落ち着きなさいな、それにさっきのは理不尽なんてモンじゃないわ、反省しときなさい』
『すいません、良く考えれば当たり前のことを......』
『でも私にも非はあるわ、いきなりセックスしたことあるか、なんてセクハラ以外の何物でもないし、だから』
依頼人に顔を差し出す。
『なっなんですか?』
『私も悪いことしちゃったんだから貴方と同じようにビンタされないと理不尽よ』
『でも......』
『フヨちゃんなにもそこまで......』
『お願い、されないと気が済まないの』
位を決した依頼人が私にビンタする瞬間、愛住君達生徒会メンバーに目撃され、辺りは阿鼻叫喚となるのだった。
この物語はフィクションです。
犯罪行為を推奨、肯定する物ではありません。




