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花札気分

 『そんな物騒な物はしまって、俺と話し合いませんか?』


返ってきたのは意外な言葉。


この男、なにが目的で私に接触を図っているの?


『なにそれ、私を殺しに来たんじゃないの?』


『殺すなんてそんなまさか、ただ俺はあなたと遊びに興じたいだけですよ』


『ふぅん、でもうかつなモノね、私を制圧しにかからず遊びに誘うだなんて』


『あなたは簡単には人を殺さない、四番が息生存していることからもそれが窺える、だから誘ったんです』


『それにあなたの犯罪を通報、なんてことをほのめかせば脅しとしても使える、でなければ俺が出てきた瞬間に殺しているはずですから』


『花嫁を傷付けられた割りには随分冷静じゃないの』


『候補です、まだ花嫁に決めたわけではありません、それにあなたは襲われた側に過ぎない、責任は俺の花嫁候補達にあります』


『ドライなのね』


『所詮候補ですから』


柔らかくも在りながら冷たい固さも持ち合わせる。


気味が悪いと言う他はない、それに腹が立つのよね。


知り合いを傷付けられてもキレてかからないその態度。


『悪いのだけどアンタと遊んでいるヒマはないのよね』


『あなたがお捜しのお二人、哀抔(あいなど)世罪理(せつり)様と二条苦(にじょうにが)様の情報を持っています』


『なんですって?』


『俺に見事勝利した暁には情報をお渡ししますよ、あなたが負けたらお二人の詮索は辞めて頂きますが』


唐突に舞い込んだチャンス、逃すワケにはいかない。


『わかった、アンタのアソビに付き合ってアゲル』


『では場所を変えましょう、いつまでも同じ部屋というのもなんですし、あっそうだ包帯巻いてください』


『これくらい平気よ』


遠慮しても強引に巻き付けられる。


『勘違いしないでください、あなたが心配なわけではなく、遊び道具が汚れるのが嫌なだけです』


『ああそうですか』


下杉に案内されるは隠し部屋。


『極一部の者しか知り得てはおりませんのですよ、ここは』


一体なにに使う部屋なのか、私には皆目検討もつかなかった。


まるで檻のようにも思える、何故結婚式会場にこんな部屋が......?


『椅子に腰掛けてください』


敵であるはずの人物とテーブルでのご対面。


『本当に遊びに誘っていたのね』


『疑り深いのですね』


『遊びと言う名の殺し合い、なんて言い出すものだとばかり思っていたわ』


『そんなんじゃありませんよ』


微笑みながら置かれた紙の束、これが遊びの道具?


『あなたカードゲームは嗜みますか?』


『やったことないわ』


『そうですか、しかしご安心ください、このカードゲームは初心者にも飲み込みやすいので』


『アンタこそ安心していいわよ、どう言い訳しようと自分に有利な方法で勝負を仕掛けていることに変わりはないから』


『これは手厳しい、では主人公を選んでください』


十枚程のカードが並べられる。


『主人公ってなによ』


『いわばプレイヤーの分身です、もちろんキャラクターそれぞれ性能に違いがあります、当たり前のことですが』


選べと言われてもやったことないのだから、どれが強いのかなんてわかりっこない。


よく見るとカードの下の方に文章が綴られている。


なるほど、それぞれの目的が記されているっワケね。


ドラゴンの討伐、トップモデルを目指す、それも悪かないけどね。


『私が選んだカードはこれよ』


『ほう、やはりそれですか』


復讐のカード。


愛する人を殺された女の悲劇、私にはお似合いよ。


『俺はこのカードを』


花嫁の欠片と記されたカードを提示される。


花嫁狂いは四番だけじゃなかったってことね。


『デッキはお互いに構築済みの物を使いましょう、あくまでもフェアにね』


どこまでも冗談のお上手なことで。


『ではデッキの上からカードを五枚、手札として加えてください、そして最初の手札は一度だけ入れ換えることも出来るのです』


『私はこれで良いわ』


『そうですか』


下杉は手札をすべて入れ換えた、あまり芳しくない手札だったのかしら。


『次に先行後攻を決めます、どちらが先に動くのかを決めるわけです』


わかるわよそれくらい。


『このコインを使います、さぁ表か裏か、どっち?』


裏を選択、天の答えは表。


『俺の先行ですね、ではチュートリアルのつもりでやっていきますか』


遊びなんて軽いモノじゃない、私にとっては殺し合いも同然、その幕が開けてしまった。


『俺の(ターン)となりました、基本的に自分の番が回った際に、デッキからカードを二枚引かなければなりませんが先行最初の番には引きません、このまま行きます』


『では一番目の花嫁候補イチゴをフィールドに出します』


番号の振られた花嫁、下杉のお仲間そっくりじゃないの。


『キャラクターカードは一回の(ターン)につき一人のみ出すことが許されます、下の方に記されてある数字はそれぞれが課せられた目的を達成するための物、これを上昇させ、先に迫り来る試練を突破した側の勝利となるのです』


最初に全部説明しろっつーの。


『エピソードカード、花嫁候補との出会いを発動、1ポイント上昇、これでイチゴは2ポイントになりました、さらにイベントカード、次なる刺客を発動し、二番目の花嫁候補ニコを手札に加えます、これらのカードは発動後捨て札に置かれます、俺はこれにて(ターン)を終えます』


『どうです?ルールは理解出来ましたか?』


あまり自惚れたつもりになっていけないでしょう。


『まだまだわかりきっていないわ、アンタもすべてを教えているかどうか怪しいし』


自信を持てばそこを突かれるのは間違いないでしょうね。


これは先に勝ち誇った方が負ける我慢比べね。


『絶対勝って、アイツらの居場所を聞き出してやる!私のターン!』


カードが見初めたのはどちらか......

この物語はフィクションです。

犯罪行為を推奨、肯定する物ではありません。

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