幕間劇 同日メタファー
『豆撒こうか哀抔さん!』
ワオ何歳なのこの子。
『どうしたの愛住君、気でも触れた?』
『イヤ別におかしくなってないから!』
『おかしくなった奴はみんなそう言うのよ』
『だっから!節分なの今日は!僕だって今日以外は豆撒いたりなんかしないから!』
ホントでしょうね......
なんか絶妙にやってそうなのよね......
『私が節分だからと言ってはしゃぐタイプだと思っているのかしら』
頷く愛住君。
何気無いワンアクションなのに何故でしょう、無性に腹が立つのは。
『良いわ受けて立ってやるわよ、付き合ってあげようじゃない節分の催しに』
『素直じゃないんだから』
『私以上に素直な人はそうはいないでしょう』
『まぁ確かに』
『勘違いしないで頂戴、私が節分だとかではしゃがないってことを証明するだけなんだから』
その緩んだ頬をシャッキリさせてやるんだから。
『節分と言えば鬼でしょうけれど誰がやるのかしら』
『汚れ役はわたしにおまかせください』
鬼の役を買って出たメイドさんはミニスカートを履いてでんでん太鼓を背負っていた。
『ありがとうメイドさん!』
節分の鬼ってこんなんだったかしら......
私の困惑をよそに二人のテンションは妙に高く、それに伴って遠い目をするのが私。
あったわね、私にもこんな時代が。
無邪気にその場の行事に興じていたあの頃が思い浮かばれた。
切なく、悲しい思いが溢れでる。
私はもうあの頃のようにはいかないから。
感傷に浸る私を引き戻したのは一つの豆が当たる感触。
『あっゴメン哀抔さん、変な方にいっちゃった』
思わず笑みが零れたわ、純粋なモノではないけれど。
『私が鬼に見えたって言いたいワケ?』
『言ってないよそんなこと!?』
『上等じゃないの!私の力見せてやるわ!』
盛大に豆を撒き散らしてしまったけれど、ストレス発散にはなったかしら。
まぁでも悪くはなかったわ、メイドさんは機敏に豆を避けてて張りがあったし、愛住君はその逆でなんともかわいらしかったし。
『そろそろ食べようか』
もうそんな時間なのね。
『アンタは豆でも食ってなさい』
『そりゃないよ!ほら恵方巻きだよ今日は!』
豆の次は恵方巻きて、感性が中学生で止まってやがるわね。
『下ネタ連発も大概にしときなさい、嫌われるわよ』
『こっちのセリフだよそれ......』
その後自慢でもするように高級食材を見せびらかされ......
『はい完成!さぁ食べよう!』
極太な恵方巻きを一本手渡される。
これ食べきれるかしら......
『半分で丁度良さそうだわ、分けさせて頂戴』
『えー、せっかく作ったのに』
『グダグダ言うなら私の豆舐めさせるわよ』
『キモいこと言うキミにはこうだよ?』
押し倒され、私のお口いっぱいに恵方巻きが突っ込まれてしまった。
ちょっと!こんなの見られたらなんて思われるか、ていうかなんでたまにサドッけが増すのよ......
発言しようにも口は塞がれている。
上目遣いで同情を誘っても通じない。
こうなったら仕方ない。
下着を見せて動揺を誘ってやるわ。
服をはだけさせ、下着を露に。
愛住君の顔が赤くなった、これなら......
『鬼は内っス!皆さん会いに来まし......』
服がはだけた状態で愛住君に恵方巻きを突っ込まれているところを生徒会メンバー全員に見られ、またしても大騒ぎに発展し節分の日をマンキツした。
この物語はフィクションです。
犯罪行為を推奨、肯定する物ではありません。




