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隣の席の赤新さん  作者: トモットモ


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6/8

赤新さんはちょっと変

「「いただきます」」

 僕と赤新さんは一緒になって手を合わせて食前の挨拶をする。食材への感謝を込めて。

 僕はかぱっと弁当箱の蓋を開ける。ちなみに手作りだ。僕のお弁当を赤新さんがほえ~~とした顔で見つめている。なんかドギマギして落ち着かないな。

「それって手作り?」

「あ、うん……」

「へえ~~凄いね」

「そ、そうかな?」

「うん」

「あ、ありがとう」

 僕が、ドギマギしながら箸を彷徨わせていると、赤新さんは弁当箱に手をつける。

「おーぷんざぼっくす」

 いやそんなテレビ番組みたいな。

 赤新さんの弁当箱の中身は、僕と似たようなものだった。おかずは大体同じだし、ご飯が小っちゃいおにぎりになってて、彩りもカラフルだ。デコりも入っているのだろうか? 余談だけど味と見た目って結構比例しているところがあるかもしれない。必ずしもそうとは限らないけれども。

 赤新さんはお弁当に手をつけないまま固まっている。僕は首を傾げた。

「? どうしたの?」

「いや、やってくれたなと思って」

 ええ!? 僕なんかした? お弁当食べようとしてるだけだけど……。

「吉川君」

「あ、うん」

 赤新さんが僕をチラリと横目で見る。

「おかずの交換を要求します」

 はい、ルーズリーフと繋がりました。一部改良を施して。

 なるほど。おそらくはお弁当の中に嫌いなものがあって、でもただでやるってのもな~~。自分にもなんか欲しいって。その方が隠蔽工作つまり私はちゃんと食べましたよアピールできますやん。……というところだろうか。

 僕が赤新さんの考えを推察していると、赤新さんがちょっと不安そうな顔で僕を見つめる。

「だ、駄目かな……?」

 僕は首を振った。

「全然いいよ。何が欲しい?」

「美味しいやつ」

 アバウト~~! 僕が頭を抱えていると、赤新さんが僕の顔を覗き込んで訊いてきた。

「吉川君の自信作はどれ?」

「えっ、あっ、えーーっと……卵焼きかな」 

 僕は卵焼きを箸でつまみ、はい、と赤新さんのお弁当の上に乗せる。

「ありがとう。では私はこれを」

 赤新さんがフォークに乗せて、僕のお弁当に乗せてきたのは……プチトマト。プチトマト苦手なのかな? 美味しいのに。

「野菜が苦手なの」

 うげっと眉間に皺を寄せ、舌をべっと出す。仕草が実に子供っぽい。

「そうなんだ」

 野菜って食べると体にいいから、僕はよく食べる。赤新さんはそうではないようだ。

「うまうま」

 赤新さんは僕の作った卵焼きを美味しそうに頬張っている。なんだか嬉しい。

「料理上手なんだね吉川君」

「別にそんなことは……」

 僕は、おだててくる赤新さんの思惑をなんとなく察した。

「……他のも食べる?」

「ええのん?」

 こてっと首を小さく傾げる姿は非常に可愛らしかった。それで結構僕はお腹が満たされるような気がしてくる。こんな気持ちになった昼休みは初めてだった。

赤新さんとのランチタイムだ~。次回に続きます。

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