カルテNO2-2 封印解除と干し芋
異世界の空は、どこか懐かしい青だった。
ダーク=フレア=カゲミツは、村の丘に立ち、風を受けながら呟いた。
「この地に、封印の気配を感じる……我が右腕が疼いている……」
実際は肩こりだった。
村の広場では、村人たちが困った顔で納屋を囲んでいた。
「鍵が壊れてて、開かないんだよ。中に干し芋があるのに……」
その言葉に、カゲミツの目が光る。
「干し芋……古代の保存術により封印された神果か……!」
村人「え?」
カゲミツは、ゆっくりと納屋の扉に手をかざす。
「我が力よ、封印を解け──《封印解除・誤作動版》、発動!」
扉が、ギィィ……と開いた。
中から現れたのは、干し芋の山。整然と積まれた、ただの保存食。
カゲミツは震える声で言った。
「……これは、世界の理を支える供物……我が魂の飢えを満たすに相応しい……」
村人「……ただの芋ですけど」
《中二語変換》が発動していたため、会話は成立しない。
「我が魂の飢えを満たす供物」=「お腹すいた」
「世界の理を支える供物」=「干し芋うまそう」
女神様実況(雲ソファより)「封印解除したけど、出てきたの干し芋〜!でも本人は満足そう〜!旅の面白さスコア、初日から安定〜!」
カゲミツは、干し芋を一口かじりながら、空を見上げた。
「この地には、まだ多くの封印が眠っている……我が使命は、始まったばかりだ……」
村人「……この人、ずっとこうなの?」
女神様実況「うん、ずっとこうなの〜!でも、なんか憎めない〜!」
その夜、カゲミツは村の納屋の前で焚き火をしながら、干し芋を焼いていた。
「我が右腕が、温もりを求めている……」
肩こりだった。




