カルテ NO11-3 戦況分析で逆転劇
異世界の村に、緊急警報が響いた。
森の奥から、魔物の群れが三方向から接近している。
牙をむき、爪を振り上げ、怒気をまとっている。
村人たちは広場に集まり、震える手で武器を握っていた。
そのとき、ふわふわの服を着た少女が、ぬいぐるみを抱えて現れた。
南條ユイ。
見た目は癒し系、語彙は格闘実況。
「さあ始まりました包囲戦ッ!実況は私、南條ユイが担当しますッ!
敵は三方向からの挟撃ッ!村人の士気は低下中ッ!ここから逆転なるかッ!?」
村人「えっ……実況?」「ぬいぐるみ……?」「語彙が……戦術……?」
ユイはぬいぐるみをぎゅっと抱きしめながら、前に出る。
《戦況分析》発動。
「敵の配置、北側は足が遅いッ!西側は射程が短いッ!突破口は北ッ!そこを叩けば、包囲が崩れるッ!」
村人「……なんか、実況されると動きやすい……」
「指示が分かりやすい……てか、テンションが上がる……」
ユイ「村人、北へ突撃ッ!連携が光るッ!魔物の隊列が乱れるッ!」
《テンションバフ》発動。
実況の熱量に応じて、味方の士気と行動速度が爆上がり。
村人たちが連携し、魔物の包囲を突破していく。
魔物「実況されてる……なんか焦る……」
「ぬいぐるみ……なのに……怖い……」
ユイ「魔物、動揺ッ!隊列が崩壊ッ!村人の反撃が始まるッ!」
実況スタジオが限界突破寸前。
女神様実況:「実況が相変わらず二重~!魔物が動揺してる~!?テンションが高すぎてスタジオが限界突破寸前〜!戦況分析が的確すぎて、実況が指揮官〜!」
ユイ「魔物、残り5体ッ!村人の連携が止まらないッ!このまま押し切れるかッ!?」
魔物たちは、実況の熱量と戦術の的確さに耐えきれず、撤退していった。
村人「勝った……?」「実況で勝った……?」「なんか、楽しかった……」
ユイはぬいぐるみを抱えたまま、広場の真ん中で一礼する。
「実況とは、空気を支配する魔法ですッ!戦場に必要なのは、情報とテンションッ!そして、ぬいぐるみの安心感ッ!」




