カルテNO8-2 初現場は崩れかけの村の橋
異世界の村は、川沿いに広がっていた。
その中心にかかる古い木橋は、板が割れ、支柱が傾き、今にも崩れそうだった。
村人たちは橋の前で立ち止まり、ため息をついていた。
「もう渡れないな……」「修理するにも、職人がいないし……」
そこへ、駒井ジュンが現場入りした。
工具ベルトを腰に巻き、スマホ型カメラを片手に、勢いだけで歩いてくる。
「よっしゃ〜!現場確認完了!橋、崩れかけてるけど、直せばいいだけっしょ!」
村人「誰!?」「なんか、ノリが強い……」
ジュンは橋の前に立ち、スマホ型カメラを掲げる。
《説明動画詠唱》発動。
「はいどうも〜!今日は異世界の崩れかけ橋をDIYで直していきま〜す!まずは現場の確認から。支柱が傾いてるので、補強材を入れていきま〜す!」
空に字幕が浮かび、謎のギターBGMが流れ始める。
村人「えっ、魔法ってこんな感じなの?」「なんか、動画始まった…?」
ジュンは《工具召喚》を発動。
空間から、サイズがおかしいハンマーと、ドローン型のノコギリが現れる。
「このハンマー、ちょっとデカすぎるけど、まあ使えるっしょ!」
《即席バリケード》で仮設足場を作り、橋の下に潜り込む。
木材を打ち込み、支柱を補強し、板を張り替える。
見た目は雑。だが、耐久性は異常に高い。
村人「……なんか、直ってる」「見た目はアレだけど、渡れる…!」
ジュン「現場はノリと勢い!安全第一、見た目はあとで!」
女神様実況(雲ソファより)「橋、直った〜!でも見た目がDIYチャンネルすぎ〜!旅の面白さスコア、職人枠で急上昇〜!」
カルテには、手書きでこう記された。
『駒井ジュン:工具召喚安定。
即席バリケード、見た目は雑。
実況乗っ取りの兆候あり。』
その夜、村人たちは橋のそばで語り合った。
「この人、説明は雑だけど……なんか、信頼できる」
「実況がうるさいけど、作業は早い」
ジュンは、星空を見上げてつぶやいた。
「異世界でも、現場は現場。ノリと工具があれば、なんとかなるもんだね」
スマホ型カメラが、そっと光った。
字幕が空に浮かぶ。
『現場完了/橋修理済/次は広場の屋台』




