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女神の転移オフィス・エンタメ課 〜転移者の数だけ物語がある〜  作者: 猫じゃらし
5人目 使命なし 世界征服をしたい少女
19/80

カルテNO5-3 征服計画、完璧な演出

異世界の街の広場は、今日もにぎわっていた。


露店の香り、魔導楽団の演奏、空を飛ぶ郵便ドラゴン。

その中心に、ひとりの少女が立っていた。


黒羽南。制服姿のまま、手には《征服計画書》。

その表紙には、今日の予定が記されていた。


『第三段階:市民の信頼獲得

方法:演説(演出強化)/内容は図書館の利用時間延長について』


彼女は、深呼吸をして《演出強化》を発動。


──光が走る。

──音楽が鳴る。

──空に星型のエフェクトが舞う。


市民「えっ、何!?なんか始まった!?」


ミナミは、静かに語り始めた。

「皆さん。私は、図書館の利用時間を、あと1時間延ばしたいと思っています」


市民「……えっ、それだけ?」


「知識は力です。力は支配に繋がります。よって、図書館の延長は、世界征服の第一歩です」


市民「……なんか怖いけど、ちょっと納得した」


演出は派手だった。

でも、内容は地味だった。


それでも──


司書「……この子、ほんとに図書館好きなんだな」

市民「なんか、応援したくなる……」

猫「にゃー(この子、なんかすごい)」


女神様実況(雲ソファより)「演説完了〜!光と音は派手〜!内容は地味〜!でも市民の心、ちょっと動いた〜!」


その夜、ミナミは図書館の一角で計画書を更新していた。

『第四段階:市民の好感度上昇

方法:静かに役に立つ/猫と仲良くする/演出は控えめに』


彼女は、ペンを置いて呟いた。

「……世界征服は、騒がしくなくても進められる。誰かの記憶に残るだけで、支配の種は蒔かれる」


猫が、彼女の膝に乗った。

「……よし。好感度、上昇中」

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