表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の転移オフィス・エンタメ課 〜転移者の数だけ物語がある〜  作者: 猫じゃらし
4人目 使命あり!魔法少女になりたくて
15/80

カルテNO4-3 夢の再申請、涙と希望の魔法

街の夕暮れは、金色に染まっていた。


石畳に灯るガス灯が、まどかのヒールの音をやさしく包む。

彼女は、街の広場でひとり、魔法少女としての初日を振り返っていた。


変身は成功。魔導暴走車も止めた。

でも──


「……これでよかったのかな」


そのとき、声がした。


「あなた、魔法少女……ですよね?」


振り返ると、そこには小さな少女が立っていた。

年の頃は10歳くらい。手には、くたびれたぬいぐるみ。


「私も、魔法少女になりたいんです。

でも、ママには“そんなの現実じゃない”って言われて……」


まどかは、少しだけ微笑んだ。

「夢って、現実じゃないからこそ、意味があるんだと思う。

現実に疲れたとき、夢があるだけで、前を向けるから」


少女の瞳が潤む。

「……でも、もう遅いかも。私、もう10歳だし……」


まどかは、そっと手を差し伸べた。

「夢に期限なんて、ないよ。

だから──再申請、してみようか」


《夢の再申請》発動。

空に、申請書が舞い上がる。


「希望再発行申請書」「魔法少女適性再評価報告書」「夢の継続意志確認書」──


すべてが光に包まれ、星型のリボンへと変化する。

少女の胸元に、ひとつの光が宿る。


「……あったかい……これが、魔法?」


まどかは、涙を浮かべながら頷いた。

「うん。それは、あなたの夢が形になった魔法。誰かに認められた瞬間、夢は魔法になるんだよ」


女神様実況(雲ソファより)「夢の再申請、完了〜!涙と希望で魔法発動〜!年齢?関係ない〜!夢は、いつだって再申請できる〜!」


その夜、少女はぬいぐるみを抱きながら眠った。

まどかは、街の屋上で星空を見上げていた。


「……私の魔法が、誰かの夢を守れたなら──それだけで、十分です」


風が、静かに吹いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ