審判の塗布・双極の塗布
多分・・・続けやすいのかな?
それは、いつ生まれたのか。
そして世界は、いつから正常でなくなったのか。
目に映るのは、同胞者ばかりだ。
しかし私は、この世界の方がよっぽど好きだ。
身体中に響くこの鼓動も、変わってしまった自分の姿も、もう慣れてしまった。
明日も今日と同じ景色が続くだろう、だが「今日」は、不思議にも永遠に変わり続ける。
さて、次はどんなサンプルを作ろうか?
それとも、また当てもなく探しに行こうか_____
この世界の、発端というものを______
「塗布」というものは、ある日突然発生した。
その「塗布」は対象の全身を蝕み、やがてその生命を取り込んでしまう。
しかし、対象者を適応種と判断した場合、その身体は突然変異を始める。
そして、異形の身体を持つ生命が誕生する。
そのほとんどは意識を塗り替えられる事が多いが、精神力が強い場合は意識を残すことが可能だった。
しかし、彼女達を制御することはほとんど不可能に近く、これまでも様々な犠牲が出てきた。
しかし「塗布」の創造に立ち会った存在である、「ゲイスマルア」は実験を繰り返していた。
その結果、感情の一部を取り込ませることによって一部の者を制御する事が可能となった。
翌日、新しき結果を見ようという「ゲイスマルア」の元に
1つの存在が現れたのである。
「ゲイスマルア」の元へ現れたのは、個体名「双極」だった。
しかし「ゲイスマルア」は、この個体にはまだ感情を投与していなかったのである。
「双極」は自らの名を「ヒュールト」と言い、この世界とは別の世界から来たのだという。
にわかには信じがたい内容だったが、「ゲイスマルア」は最終的には信じた。
何故なら、自分の知らない「塗布」達がこの世界だけではない所に生息しているというのだ。
これを聞いて「ゲイスマルア」は、「ヒュールト」と共に世界中の______
いや、全ての「塗布」達をこの目で見ようと、そう思ったのである。
さあ、また新しい今日を見つけに行こう。