下校途中ハプニング
最近、隣近所に引っ越してきた橘さんは私と同じ部活に所属する後輩の女の子である。
背丈は私と似通い小柄で、本人は「地毛です!」と言い張る明るい茶髪をおさげ髪でいつも結び見た感じ少し遊んでいる風にも見える。
そんな橘さんは外見からは想像出来ないほど大人びていて良くできた性格は先生や同級生たちからはまだしも、私と同じ学年である橘さんから見れば先輩である子達からもなかなかの信頼を得ている。
そんな橘さんと比べワタシは、人に頼られるどころか同学年からは見た目の幼さと中身も同い年の子達よりも劣っていたため、周りから年下扱いされるワタシを日常的に見ている後輩たちからは尊敬などされる訳がない。
…ただ一人、橘さんだけは別だ。
ワタシはそんな橘さんに頼られたいと思うどころか、
彼女を羨望のマドンナのような畏敬の念で見ている節があるのに、そんな風に見られていることなど露も知らないであろう橘さんはワタシを慕って来るのだった。
そんな彼女と部活終わりの或日の帰宅路。
家が隣近所なのだから帰る方向も同じで、何時もなら他の部活帰りのメンバーも交えて談笑しながら帰ったりするのだが、その日は他の子たちは用事があったりして先に帰ったため橘さんと二人っきりの下校だった。
内心、憧れている橘さんと二人っきりともなると心臓が勝手にトクトクと高鳴っているのがわかる。
しかし後輩に憧れる曲がりなりにも先輩という構図は小さいながらもワタシにある自尊心がそれを許さないせいか、他愛のないお喋りを交わし、彼女に対する気持ちがこれ以上、上がってこないように頑張る。
(情けないなぁ…今のワタシ)
そんな変な気を使ってしまうワタシはふと、橘さんがおかしな仕草を行っていることに気がついた。
頬を赤らめ熱い吐息を漏らし、両足を擦り合わせたりスカート越しに両手で太股辺りを押さえ、さすったりと奇妙な動きをみせる。
「も、もう我慢できない。漏れちゃう!」
橘さんの口からその様な言葉が零れると彼女は道路で屈み込んでしまう。
ワタシが慌てて橘さんの側に駆け寄ると、橘さんのスカートの中から、
ジャアァァァ…
「いやああああああ…」
ジョロロ ジョロ…
と一筋の水流が飛び出たかと思うと止めどなく温水が溢れだし、
びちゃびちゃとコンクリートを叩く水音は薄暗くなった道に溶け込むまいと響くようだった。
やがて溢れた水筋は水滴となり、橘さんのスカートの端から点々と滴り零れるだけとなっていった。
ワタシはそんな彼女になんと声を掛けて上げようかと言葉を失っていた。
先輩ではあるものの何時も周りからからかわれ、
弄られているワタシに恥ずかしい失態を見られているというのに、気丈にも橘さんははにかむ余裕をみせると、
「あはは先輩、私失敗しちゃいました。どうしよう。
お母さんに何て言えばいいでしょうね?」
と愛らしい笑顔をワタシに投げ掛けてきたのだ。
その瞬間ワタシの心の高鳴りはトクトクからドキドキに替わり、
橘さんの哀れで惨めな姿ながらも、そこに垣間見せる幼い仕種やはにかんだ内にあるまだまだ余裕めいた表情に心を鷲掴みにされた。
「だ、大丈夫だよ橘さん。
ワタシだって1年生まで夜はおねしょでしくじっちゃってて、
それで紙おむつ穿いて寝てたぐらいだし、1年生で一回ぐらい失敗しちゃったぐらいでどうってことないよ!」
内心、この時のワタシは自分から沸き上がる感情に戸惑いながらも興奮していたと思う。
ワタシ自身橘さんを励ましてあげたいだけなのに何ワタシの過去に仕出かした恥ずかしい秘密をカミングアウトしているのであろうか?
…まるで橘さんの失態に興奮したワタシは更なる興奮を求めているみたいじゃないか。
唐突に羞恥心が込み上げてきて今、穴があったら入っていたい想いに囚われ顔が赤らむのを感じた。
そんなワタシの恥ずかしい過去話が彼女に届いたのかクスクス彼女の口から笑い声が弾けて、
「先輩、1年生でも夜におむつ穿いてたんですか?
それってとっても可愛かったんでしょうね。見たかったな~」
と彼女の表情からは動揺の色が消え、ワタシの恥ずかしい告白も無駄じゃなかったんだなと思えた。
しかし、反面、先程の恥ずかしい告白は消し去りがたく少し照れ隠しな気持ちを隠したい思いで話題を逸らすため、橘さんに声を掛ける。
「橘さん。いくら今の時期暖かくなってきたといっても、
そろそろ辺りも暗くなってきたし、早く家に帰ってお風呂入った方がいいんじゃない」
「それもそうですね、べとべとした感触が気持ち悪いですからせめて濡れた靴下とか脱いで絞ってからおうちに帰ろうと思います」
…えっ?濡れた靴下を脱いで絞る?
と言ったと思えば、チャプチャプおもらしが溜まった運動靴を脱ぐと裏返しにして水を道路に溢す橘さん。
次にしゃがみこみスカートから覗く膝から片側の靴下を下げ始め、脛と太股がややピンク色を帯びていてとても愛らしい。
靴下を脱ぎ、次に反対の方も脱ぐと白のソックスがやや黄色に染まっていた。
その両方のおもらしソックスを雑巾を絞ると水分が染みだし、汚れが混じる茶黄色い液体と共にプーンとアンモニアの臭いがワタシの鼻腔をくすぐり、その橘さんの香りによってワタシの興奮はドキドキがからバクバクに替わった気がした。
「どうせならパンツも脱いで絞っちゃおう」
「へっ…?」
橘さんの思春期を感じさせない発言に否応なしに思春期男子みたいな反応するワタシは呆気にとられるがそれさえも気にもせず、橘さんはスカートの中に両手を忍び込ませすすっと膝小僧の手前のとこまで、湿り気を含んだ青と水色の水玉模様のパンツを下げたところでワタシは正気に戻った。
「だ、駄目だよ橘さん。人が来ちゃうかもしれない道路で下着まで脱いだら」
と彼女の脱ぎかけの両手を掴み、もとの位置までパンツをスカートの中まで引っ張った。
「ひゃっ、先輩脱いだ下着を上げないで下さい!
生温くてジメジメしちゃってるのをまた穿くのって思ったより気持ち悪くて恥ずかしいんですよ!!」
「だからって脱いでいいことにはならないよ!
誰か来て恥ずかしい思いするのは橘さん何だよ!?」
と興奮を抑え、説得しようと頑張るワタシの声は橘さんには届かない。
「私は別に大丈夫ですからこのジメジメパンツ脱がせて少しでも絞らせて下さい」
「だから駄目だよ。これ以上橘さんの恥ずかしいとこ見ちゃったらワタシ…自分がどうにかなっちゃいそうだから!」
「へっ…?」
「あっ…」
しまったと思ったときにはもう遅かった。
「先輩どういうことですか?説明してください」
と橘さんの強い口調で責められると最早どうすることも出来なくなり観念したワタシは橘さんに前から憧れていたこと。
橘さんのおもらしの失敗に胸がドキドキ、バクバクしたこと。
などを赤裸々に橘さんに話してしまった。
「ふーん。先輩ってそう言う性癖だったんですね」
橘さんの冷めた目がワタシに降り注ぐ。
「ご、ごめんなさい。自分がそう言う目で見られるのって嫌だよね。こんな変態でワタシのこと嫌いになったよね?」
橘さんからキツいことを言われる。
そう覚悟して涙が溢れそうになるのだが、橘さんは顔を赤く染めてこういった。
「何言ってんですか。先輩が好きな性癖がわかって私嬉しいですよ。
…だって私、先輩の事が大好きですもん」
「えっ…?」
突然の橘さんの告白を聞き違いだと思ったのだが、橘さんは話を続けていた。
「だからこれからは先輩に興奮してもらうために私、頑張っておもらししますね!」
「ちょ、どうしてそうなるの?」
ワタシの質問には答えず、橘さんはキッパリと宣言する。
「だから先輩。これからも楽しみにしてくださいね?」
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
…しかし、橘さんが仕掛けるおもらしに内心、妄想逞しくさせ、下腹部が熱くなっているワタシがいるのであった…。