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残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
2章 破曲:戦火の魔女
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序文

 物質主義(キムラヌート)

 不安定(アィーアツブス)

 色欲(ツァーカム)貪欲(ケムダー)

 醜悪(カイツール)

 無感動(アディシェス)残酷(アグゼリュス)

 愚鈍(エーイーリー)拒絶(シェリダー)

 無神論(バチカル)


 十の邪悪。十の聖痕。

 相克する二つが互いの尾を噛み合う時、隠された扉は開かれ、災禍は再び舞い降りる。

 禍は嘲る様に地を這い、世界は無に。無の世界。


 沈め。

 掻臥せ。


 さもなくば、生きよ。




【残酷のアクセルリス】




 常夜の都、魔都ヴェルペルギース。

 その中央にそびえ立つ魔女機関本部の塔、クリファトレシカ。


 その91階にて。


「ふむふむふむ……ほうほうほう……!」


 独り言をどよもしながら、望遠鏡を覗く一人の魔女がいた。


「これはこれは……今日も一層興味深さがある……!」


 彼女の名は《ネビュラアイ》。

 魔女機関において《星見台》の役職を担当している、いわゆる《キュイラヌート直属》の一人。

 では、《星見台》とは一体どのような役職なのか。

 簡単に言ってしまえば、それは《星占術師》である。

 ヴェルペルギースの夜空を観測し、その星々の鼓動や光輝より運勢、時世、引いては未来を見通すのが《星見台》であるネビュラアイの任務である。


 常夜の都ヴェルペルギース。その空は作られた夜空ではあるが、星々の動きは魔女達にも制御できない。

 その点を逆手にとった初代邪悪魔女1i《天の魔女ティエラ》が考案したものなのだ。


「なんだこれは……目まぐるしさがある……! かつてないほどに……!」


 天を見渡しながら、ネビュラアイは恍惚に満ちていく。

 知的好奇心を満たしつつ、魔女機関への貢献ができる。ネビュラアイにとってはまさに天職なのだ。


 ──ふと、その時。


「……うん? おやぁ?」


 その動きがピタリと止まる。ある一点を見つめたまま。


「…………悪い」


 小声でこぼす。その声色は震えを帯びていた。


「これは……ヤバ……さがあるんじゃ……?」


 上昇したボルテージは一瞬のうちに最低値へと塗り替えられる。

 冷汗が止めどなく流れ出す。


「何か……何か起こる……!」




【2章 破曲:戦火の魔女】

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