#7 用語集
【用語解説】
・魔女(マジア/Magia)
魔女機関が統治する『魔女による魔女の為の世界』でのメインパーソナリティ、それこそが魔女。
体に魔力を貯め、それを『魔法』という多種多様な形で操るのを得意とする。
魔都ヴェルペルギースをはじめとした魔女都市には連日多くの観光客が集まり、魔女グッズは老若男女問わず販売され、老若男女あらゆる種族からの人気の的と練っている。
その人口も年々増加傾向にあり、まさに現代社会は魔女によって形作られているといって差し支えない。
●魔女の特徴
人間と比べた際の魔女の特徴は以下の通り。
・蓄積できる魔力が多い
・寿命が長く老化が遅い
・生まれついての魔女は存在しない
人間との差異は可視できないものがほとんどであり、大抵の魔女は人間とそう変わらない外見をしているが、魔女が生まれる経緯を考えると至極当然なこと。
●魔女が生まれるまで
生まれつき魔女である魔女は存在しない。
魔女とは、『人間が変異して生まれる種族』なのである。
変異の手順は以下の通り。
1.まず初めに、多くの魔力を蓄積できる体になるための訓練を行う。
通常の人間であっても魔力を蓄積すること自体は可能だが、ほとんどの場合魔女に比べればほんのわずかな数値でしかなく、魔法を扱うのは到底不可能。
2.体に貯めた魔力を最高効率かつ最大限使用できるようにする訓練を行う。
魔法に使う魔力をどれだけ節約できるかに繋がる。これは意外と大切なことであり、怠ればいざという時にガス欠を起こし参事を招きかねない。
以上の二つは人間だけでの独学では修めるのが難しく、魔女に弟子入りして行うのが推奨、というか大前提。
また蓄積魔力値の伸びや魔力効率化には大きく個人差が出る。めげずに励むべし。
3.以上の二つを完遂したのち、各地に存在する《天啓の神殿》に行き、そこで《命名の魔女》から称号を授かることで魔女となる。
苦労が報われるとき。称号を授かることで完全に魔女となる。与えられた称号により魔女としての性質が決まる。
4.天啓の神殿で手続きを行い、《魔女認定証》を作る。これによって、正式な魔女として魔女機関に認められる。
魔女になれたからといって浮かれてはいけない。最後のこの手順を踏まなければ、魔女としては認められない。油断は禁物。
個人差はあるが、おおよそ手順3~4の間に体が人間から魔女へと変異する。
人間よりも老化が著しく遅くなり、その分寿命が格段に延びる。
そのため、外見で魔女の年齢を判断するのはほぼ不可能。また魔女の年齢を訪ねることは禁忌とされている。
手順1~2には平均して5年ほどかかり、人間以外の種族が魔女になった例はない。
●魔女の称号
天啓の神殿で与えられる称号は、魔女としての証であると同時に、どのような魔女かを示すプロフィールでもある。
どのような称号が与えられるかは無作為であると考えられていたが、得意とする魔法に関連したものになりやすいとのデータが魔女機関研究部門から出された。(炎系の魔法が得意であれば炎に関連した称号になる、という具合)
だが、この点が裏目となり、与えられた称号により魔力の暴走を引き起こし重傷を負う事態もある。
また、魔女の性格・性質は与えられた称号によって強く左右される。称号によって心身が歪み、外道魔女となってしまったものも数多い。
●魔女の身体能力
魔法を操ることが最大の特徴である魔女だが、その身体能力も多くの場合人間を上回っている。
体内に貯めこんでいる魔力が染み出し、身体に浸透することで、人間を超えた身体能力を発揮することができる。
しかし個人差はあり、一部の魔女は魔力の染み出す割合が低い、または無いことにより、人間とほとんど身体能力が変わらない場合もある。
逆に、染み出した魔力の影響で、逆に身体能力が低下してしまう魔女もいる。
・他の種族
●魔女(マジア/Magia)
人間が訓練を積んで進化する特殊な種族。その名の通り、女性しかいない。
子を成すことは無いが、人間との間に生まれた子は生まれ持っての魔力適性が強く、容易に魔女になれる。
●人間(ヒューノ/Huno)
ヒューマンのみ該当。魔女と並んで栄えている種族。最も短命だが、最も繁殖力が強く、基本的に遺伝確立が半々になる異種族交配でも、人間の場合例外的に生まれる子は必ず人間となる。
●獣人(ワーノ/Wano)
ワーウルフを代表として数多くの部族が該当。人間からの派生種族。哺乳類・鳥類の要素を持つものが該当。個体によって獣の度合いが大幅に異なり、生活圏・魔女機関社会浸透率もそれに大きく左右される。
●竜人(ルーノ/Ryuno)
ドラゴノイドのみが該当。人間と竜からの派生種族。数が少なく、人里にはあまり姿を現さない。
ドラゴノイド:魔女機関社会浸透率10%未満
●妖精(エフュア/Efya)
エルフ・ノーム・ドワーフ・ゴブリンが該当。人間・魔女よりも小柄で、その多くが森で生活しているのが特徴。
・エルフ:魔女機関社会浸透率40% 森に生き、森を護る。他の三部族よりは大きな体をしている。
・ノーム:魔女機関社会浸透率50% 金にがめつく、商人として働く者が多い。
・ドワーフ:魔女機関社会浸透率65% 職人として多数のドワーフが浸透している。彼らの作る製品は精巧性が高く人気。浸透していない個体も敵対意識はなく、彼らの工房に訪れれば優秀な製品を提供してくれる。
・ゴブリン:魔女機関社会浸透率30% ゴブリンは略奪を生業とし、最大の美徳とする種族の為、未だ社会浸透率は低い。ゴブリンから行商を守る仕事に就いているゴブリンもいたりする。
●海民(マリュエ/Maryue)
マーマン・マーメイド・ラミアが該当。水性生物と人間の特徴を併せ持った外見で、水辺を好むのが特徴。
また、マーマンとマーメイドは近年では同一の種族とする説が浮上している。
・マーマン:魔女機関社会浸透率60% 雄のみ存在する。マーメイドと交配し個体を増やす。魚類の特徴を持つ。
・マーメイド:魔女機関社会浸透率60% 雌のみ存在する。マーマンと交配し個体を増やす。魚類の特徴を持つ。
・ラミア:魔女機関社会浸透率35% 爬虫類・両生類の特徴を持つ人型が該当。乾燥に弱いため、今だ社会浸透率は低め。
●夜者(ハイト/Hite)
ヴァンパイア・アラクネ・キュバスが該当。外見に共通性は無い。夜行性なのが特徴。
・ヴァンパイア:魔女機関社会浸透率20% プライドが高い種族であるため、魔女機関社会に適応しようとしない。
・アラクネ:魔女機関社会浸透率35% 虫の特徴を持つ人型。
・キュバス:魔女機関社会浸透率65% 男性はインキュバス、女性はサキュバスと呼ばれる。
・魔女枢軸(リュリュジア・マジア/Ryrysia-Majia)
有志によって創りだされた外道魔女の組織。
全ての外道魔女が所属しているわけではないが、外道魔女たちが手を組み連携することは魔女機関にとって脅威である。
残酷魔女は早急な対応を試みている。
・デヴァイタル教
現在最も教徒が多い宗教。多神教。
主神 《デヴァイタル》を中心に、様々な事象を司る神が登場する神話を有する。
名前こそ主神であるデヴァイタルの物を使用しているが、どの神を最も信仰するかは個人で決めてよいという特殊な形式を持つ。
その特殊性が人気の要因と言われている。
・総督勅令(任務)
新しく就任した邪悪魔女を対象に、キュイラヌートから直々に与えられる任務。
時勢や状況、魔女の得意分野や担当部門から最も必要とされる難度の高い任務が与えられる。
これの合否は邪悪魔女としての立ち位置に大きく響くとされ、手酷い失敗をした場合には邪悪魔女の座を剥奪されることもある。
・鋼の魔法
アクセルリスの魔法によって天地に眠る鋼の元素を用いて生成した鋼には二つの特徴がある。
●質が一般的な鋼よりも優れていること:元素をそのまま生成・加工しているため純度が高く鋭さや頑丈さが基準よりも高い。
●質が急速に劣化していくこと:純度100%の為そのままにしておくと急激に劣化する。武具として使えるのはもって五分。
アクセルリスの基本攻撃、槍の発射はこの二点を鑑みて導き出された合理的なもの。
・魔行列車
魔力を主動力として動く乗り物。
魔石から作られた魔石炭を燃やすことで動く。
魔石炭は魔力を含んでいるため、従来の石炭よりも効率が良く、また自然へ与えるダメージも少ないというすぐれもの。
またそれとは別に、ヴェルペルギース行の魔行列車には通常の空間とヴェルペルギースの空間を繋げる装置が搭載されている。
その装置に特定の魔石を設置することで、ヴェルペルギースに存在する同種類の魔石と共鳴し、二つの空間が繋がるという仕組みだ。
この『ヴェルペルギースに存在する魔石』とは、各駅に設置されている守護魔獣のオブジェに埋め込まれているものと一般的には解釈されている。
が、実際のところは不明。魔女機関も正式な回答は発表していない。
・守護魔獣
魔都ヴェルペルギースの四方を守護すると言われている四体の魔獣。
駅の名前にも用いられている。
それぞれ
東:ケイトブルパツ(Catoblepas)
西:パーガスッス(Pegasus)
南:カーバロソ(Kerberos)
北:テテュノーク(Tutinoko)
となっている。
・ニューエントラル(Newenterall)
東部よりに存在する大都市。
ヴェルペルギースが『魔女によって作られた魔女の都市』というのなら、ニューエントラルは『人間によって作られた人間の都市』といえる。
その構造はヴェルペルギースを参考に作られており、中央には都庁である塔 《セファロトー》がそびえ立っている。
だが人間と魔女の技術力にはどうしても埋めきれない差があり、100階建てのクリファトレシカに対して30階建てのセファロトーなどがその顕著な例である。
とはいえ地価などはヴェルペルギースよりも安く、ヴェルペルギースへのアクセスも容易なため、人間の居住地としては依然として人気。
・魔弾
魔力を収束しエネルギー球として撃ち出す魔法。多くの場合、指先や掌といった身体の末端から放たれる。
全ての魔女が扱える魔法ではあるが、通常の場合威力や射程は心もとないものであり、これをメインウェポンとする魔女は奇特である。
いちおう、ゼロ距離で喰らわせればそれなりのダメージは期待できるが、その程度。アーカシャやアガルマトといった非戦闘員魔女が護身用に使う程度が関の山である。
・年月日時刻
ヴェルペルギースの空に輝く星座は、一定周期で西から東へ移動する。
星座は計12個、1つの星座が昇り始め沈み切るまでを1ヶ月とし、それを31等分したものを1日と定めた。
さらに1日を24等分したものに生物の名を振り分け時間の概念を定めた。
曜日の概念は無い。
●月
・カプリコロン(1月)
・アキュエリス(2月)
・ピスカス(3月)
・アーリエス(4月)
・タウラ(5月)
・ゲミーニ(6月)
・キャンセル(7月)
・レオター(8月)
・ヴィルガ(9月)
・リリブラ(10月)
・スカルピス(11月)
・サジッタリス(12月)
●時刻
・トカゲ(1時)
・ライオン(2時)
・ワシ(3時)
・ウマ(4時)
・サソリ(5時)
・ヤギ(6時)
・テントウムシ(7時)
・ハチ(8時)
・フクロウ(9時)
・イカ(10時)
・ムカデ(11時)
・ドラゴン(12時/0時)