#6 ゴハンを食べてユメを見て
【#6】
後日。
ヴェルペルギース内の、一流料理店。
そこにはパーティーメイカーズの三人とアクセルリスがいた。
「すまなかったね、アクセルリス。任務完了の報酬も出さなくって」
「そのお詫びといっては何だけど、今日はこんな感じで、ね?」
「わたしたちのごちそうだ。好きなだけ食え」
三人が見るのは、並べられた大量の料理。
そしてそれを恐ろしいスピードで吸収するアクセルリス。
「────────!!!」
鬱憤を晴らすかのように頬張っているため、その言葉は形を成さない。
〈……あー、すげえうれしいってさ〉
トガネは呆れ半分にその言葉を形成する。激しく頷くアクセルリスを見るに、彼の通訳は満点のようだ。
「そうか、よかった」
安堵の表情を見せ、アクセルリスに背を向ける三人。
そして、穏やかではない視線を互いに送りあう。
(……さて)
(とりあえず、この場は凌げたねぇ)
(ええ。でも、時間の問題ね)
(その通りだ。アクセルリスはカンが鋭い。近いうちに、わたしたちの口で真実を教えなければならない)
(パーティーメイカーズの、真の任務、ね)
(さぁて、どうしようか……)
暗い展望を掴みかね、背後のアクセルリスを一瞥する。
肝心のアクセルリスはというと。
そんな三者に僅かな気を向けることさえせず、ただただ恍惚に食欲を満たし続けていた。
「……」
その姿を見て、三人は同じ結論に至った。
「……ま、どうにかなるか」
「そうね」
「だな」
肩の荷がすっと下りたようだ。
「~♪」
アクセルリスは、ただただ愉悦に満ちていた。
こうしていつまでも、美味しいものを食べて、幸せでありたいものだ。
〈……って言ってるんだろうなぁ〉
やれやれ、とトガネは微笑んだ。
──だが、そんな愉快な日々にも、終わりが迫っていた。
【レッツパーティーメイク! おわり】