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残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
11話 仕組まれたクライシス
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#4 兎狩り

【#4】


 時は遡る。

 暴走魔行列車から離脱したマーチヘア。

 どこかの草原に着地し、線路の先を見やる。

 すでに列車の影は無い。


「ふ──私の勝ちだな。明日のニュースが楽しみだ」


 立ち去ろうと、後ろを向いた。


「な」

「ごきげんよう、マーチヘアさん」

「おま、お前は……!」


 彼女の真後ろに居たのは黒コートの魔女。そのメガネの奥の眼光は冷酷に。


「アイヤツバス……!? どうして、ここに」

「どうして、って……自分が一番分かっているでしょう?」

「え?」


 何もわからない、といった風の表情をしたマーチヘアの首をがしりと掴み、持ち上げる。

 その腕は細く華奢だが、まるで万力の様な剛力でその首を締め上げる。


「……私の弟子に、何をしたか。知らないとは言わせないわよ?」

「え……あ……が……」


 指が食い込む。喉が潰される。声が出せない。


「……覚悟はできてるわよね?」

「ぎ……あ……」


 涙と冷や汗でびしょ濡れの顔を僅かに横に振る。

 否定、及び命乞い。


 だがもちろん、通らない。


「さよなら」


 首を掴んだまま手首を直角に傾ける。


「あ」


 ごきりと低い音が骨に伝わる。


「……」


 手を離す。ぐたり倒れ落ちたマーチヘアを興味なさげに見下ろす。


「……まったく。人気過ぎて困っちゃうわね、アクセルリスってば」


 マーチヘアの亡骸を蹴り飛ばし、知識の魔女は立ち去った。


「私が守ってあげないと、ね」


 そう呟いて、静かに微笑んだ。



【仕組まれたクライシス おわり】

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