表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
10話 誰が為の鎮魂歌
44/277

#3 凱歌

【誰が為の鎮魂歌 #3】


 後日。残酷魔女本部。


「アクセルリス、ただいま参上しました」


 アクセルリスを迎え入れたのはやはりシャーデンフロイデとアーカシャ。ミクロマクロもいるにはいるが、仮眠中。


「おっきたきた。怪我の方はもう大丈夫なの?」

「はい、もうバッチリ万全です!」

「何よりだ。では、先日の任務の話をしよう」

「……その件につきましては、私の未熟さ故、犯人であった外道魔女レキュイエムを仕留めることが出来ず、まことに……」


 深々と頭を下げようとするも、アーカシャがその頭を掴んで礼することを許さない。


「あーあーあー、いい、いい、いいんだよそういうのしなくて」

「処分失敗など、ここでは珍しくもない事だ。あの状況から生還できただけ充分だ」

「そうなん……でしょうか」

「そういうものなの!」

「いずれにせよ、アイヤツバスには感謝しないとな」

「そうねー。たまたま現場近くを通りかかって、アクセルリスを助けて、そのままレキュイエムを処分しちゃうんだもんね」

「流石お師匠サマ……」


 銀の眼を輝かせるアクセルリス。


「でも、アクセルリスの存在も不可欠だったよ?」

「え?そうですか? 今回私はいいとこなしで恥ずかしい限りなんですが……」

「お前があのタイミングでキリノ町に向かわなければ、レキュイエムを炙り出すことは出来なかっただろう」

「……言われてみれば、確かに……?」

「言い方は悪いけど、いい感じの囮として活躍したわけね」

「流石にそれは言い方悪すぎるだろう……」

「囮……!」


 まんざらでもなさそうな顔。


「いいのか……」

「でへへぇ」


 腑抜けきったアクセルリス。


「あー、一応厳しいことを言っておくと。今回は『偶然』アイヤツバスが居たから万事解決で終わったものの、もしあいつが居なかったら大惨事だったからな」

「あ……そうですね」


 我に返るアクセルリス。


「二度とこのような奇跡は起きない。だからこそより一層成長し、確実に標的を屠る力を身に付けよ」

「分かりました。アクセルリス、より強くなり、あらゆる外道魔女を殺し、戦火の魔女をも殺して見せます」


 緩んでいた銀の眼は普段の鋭さを取り戻す。


「そうだ。期待しているぞ」

「まあ、背負い込ま過ぎずに頑張ってね」

「はいっ!」


 失敗の経験。それもまた踏み台として、残酷のアクセルリスは次の一歩を往くのだ。


【誰が為の鎮魂歌 おわり】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ