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#0 序文:生命と邪悪
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隠されしダアト。深淵の上に存在せし知識。
天の王の星の加護。完全にして共有なるもの。
悟り、気付き、神の真意。アレフの愚者からタヴの世界まで。
左手に峻厳を。右手に慈悲を。心臓に均衡を。至高と論理と魔術の三角形を。
全を無に。我を無限に。そして無限の光を生じさせよ。
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無形。虚無。そして闇。三重のヴェールは今もなお世界を覆う。
邪悪、否、聖なるものの鏡像。リアリティの裏に隠された、虚ろのリアリティ。
虚数単位にて示される悪徳と悪魔、それを内包せし殻。
落涙の水。創造の水。わたつみの水。いたわりの海。クリフォトの四界より始まり、そして終わる。
トワイライトゾーンに従い刻まれた十の数字。セトのトンネルを抜け、クロウリーへ愛を捧げよ。
いと高き者どもの地獄より。奈落。死の土。破壊された墓穴。死の影。地獄の門。そして地獄。
十地獄の七処、その中途。アスモデウスよ、刮目せよ。我は残酷なり。
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