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残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
5話 煉獄、砂糖抜き
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#? その光は救済とならん

 燃える街。逃げ惑う人々。悲鳴、悲鳴、悲鳴。


「そんな……なんで……!」


 多くの人が目の前で命を落としていく。なのに彼女の体は動かない。


「あ……ああ……」


 膝をつき絶望するプルガトリオ。シュガーレスは何も言わず、何の感情も見せない。


「救いなんて……救いなんてない……!」

「…………」

「あああああああああっ!!」


 拳を打ち付け泣き叫ぶプルガトリオ。

 その様子を見たシュガーレスは、こう言った。


「あなたが救えばいいのよ、プルガトリオ」

「え……?」

「この世に救いがないなら、あなたが救いの炎になればいい」

「なら……なら誰が私を救ってくれるんだッ!」

「わたしが救うよ」

「……え」

「わたしがプルガトリオを救う。プルガトリオがみんなを救う。それならいいでしょ?」

「……それじゃあ、シュガーレスはどうなるんだ」

「わたしはもう救われた。あなたと出会ったことで」


 その言葉がどれだけプルガトリオの心を温めたことだろうか。天上の祝福。神の寵愛。


「…………」

「だからもう泣かないで。アメ、食べる?」


 暖かく小さな手からアメを受け取り、食べた。


「おいしい?」

「……ああ」

「そう、ならよかった」


 プルガトリオはもう泣いていなかった。

 ただ真っすぐシュガーレスを見つめ、己の進む道を見つめた。

 甘い味が溶けていった。

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