#? その光は救済とならん
燃える街。逃げ惑う人々。悲鳴、悲鳴、悲鳴。
「そんな……なんで……!」
多くの人が目の前で命を落としていく。なのに彼女の体は動かない。
「あ……ああ……」
膝をつき絶望するプルガトリオ。シュガーレスは何も言わず、何の感情も見せない。
「救いなんて……救いなんてない……!」
「…………」
「あああああああああっ!!」
拳を打ち付け泣き叫ぶプルガトリオ。
その様子を見たシュガーレスは、こう言った。
「あなたが救えばいいのよ、プルガトリオ」
「え……?」
「この世に救いがないなら、あなたが救いの炎になればいい」
「なら……なら誰が私を救ってくれるんだッ!」
「わたしが救うよ」
「……え」
「わたしがプルガトリオを救う。プルガトリオがみんなを救う。それならいいでしょ?」
「……それじゃあ、シュガーレスはどうなるんだ」
「わたしはもう救われた。あなたと出会ったことで」
その言葉がどれだけプルガトリオの心を温めたことだろうか。天上の祝福。神の寵愛。
「…………」
「だからもう泣かないで。アメ、食べる?」
暖かく小さな手からアメを受け取り、食べた。
「おいしい?」
「……ああ」
「そう、ならよかった」
プルガトリオはもう泣いていなかった。
ただ真っすぐシュガーレスを見つめ、己の進む道を見つめた。
甘い味が溶けていった。