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残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
38話 戦火はただ、殺伐と
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#9 世界の灯火



「…………」


 覚束ないまま立ち続けていたアクセルリス。日は失われ、夜が世界を支配していた。


「……戻らなきゃ」


 長い時。やっとの思いで感情を仕舞い込み、動き出す。


「シャーデンフロイデさん」


 肉塊の側に寄り、それを探る。

 殺伐は成されず、斃れた。しかしそれでも、彼女が存在した証明はしなければならない。

 アクセルリスはそう考えた。故に、シャーデンフロイデの遺品を探したのだ。


「……ん」


 そしてアクセルリスは気付く。

 右手の内から見える、赤い光に。



「これ……って」




 それは世界を正しい方へ向かわせる、小さな小さな火。

 燃え続ける魔女たちの意志。その灯火だった。

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