#6i 用語集
【用語集】
・魔石
魔力を濃密に宿した結果、様々な特異性を発生させた鉱物の総称。
宿す特性は多岐にわたる。以下ではそれぞれの性質を解説する。
・伝気石
最も出番の多いであろう魔石。色はおおむね黄色。
作中においても最近発見された新しい魔石であり、未だ希少価値は高いものの魔女機関は惜しみなく利用している。
デスクに鎮座するほど大きい『親機』と手のひら大の『子機』に分かれており、双方に同じ魔力を通すことで機能し始める。
その特性は『離れた相手と連絡を取り合うことが出来る』という革新的なもの。ヴェルペルギースと中と外でも問題なく連絡が可能。
この魔石の発見により、魔女機関の仕事効率は数倍以上に成長し、ひいては魔女社会の発展に大きな貢献を残した。
・暴奏石
マーチヘアが己の名を歴史に残す手段に利用した魔石。眩しいほど赤い。
物体の運動を高出力で維持させる力を持つ。とりわけ魔力に対しての働きかけが著しいという研究結果も出ている。
作中で語られたように、本来はゴーレムなどといった魔力を動力として動くオブジェクトの炉心に使われるもの。
発見されてからはそれなりの時が経っているが、性質としては前述のものが全てなため、それ以上の研究価値はないと捨て置かれていた。まさかあのような悪用をするとは誰も思わなかっただろう。
・麻彗石
外道女帝との戦いに臨むアクセルリスにアイヤツバスが渡した魔石。黄色い。
魔法に麻痺の効果を与える力を持つ。最も相性がいいのは衝撃波魔法だが、たいていの魔法には麻痺を付与できる。体に害はなく安心安全。後遺症などもない。
ただし麻痺の付与は麻彗石に貯蔵されている魔力を著しく消耗するため、手のひらサイズの麻彗石であれば三度の使用が限度。魔力を失うと無力透明になり、簡単に砕けるほど脆くなる。
医療の現場でも用いられたりする。その分使用は魔女機関が重く取り締まっており、使用の際には許可の申請が必要になる。
・魔救石
カーネイルがアディスハハに渡した魔石。透明。
触れた魔力を吸収する性質を持つ。吸収した魔力により色が変化する。イヴィユが使用した魔吸刀に用いられているのもこれ。
また、吸収・貯蓄した魔力を解き放つことも可能。その際は、吸収したときがどんな形であれ、純粋なエネルギーとして魔力を解き放つ。(炎を吸収した場合、解放されるのは熱であるといったように)
けっこうな貴重品だが、あのタイミングでカーネイルが所持していた理由は不明である。
・超再生の魔石
シャーカッハの心臓に埋め込まれていた魔石。血肉の色をしていると噂されている。
かつての研究の際に発生した事故により、その場にいた研究員シャーカッハの心臓に突き刺さったこの魔石は、一瞬にして彼女の魔力構成を書き換えた。それほどまでに強力で恐ろしい魔石である。
この魔石により《再生》へと称号が変わったシャーカッハはたとえ肉体の9割が消し飛ぼうとも瞬時に再生を始め三分経たないうちに完全な姿に戻る、という力を得ている。
また『老い』にも耐性を持つようであり、どれだけ年を重ねようとも若い細胞が生まれ続けるという。つまるところ宿主に不老不死を与える魔石である。
現在はシャーカッハの心臓から摘出されどこか別の場所に保管されているが、シャーカッハの身体は元には戻らなかった。一度浸透し書き換えられた魔力情報は永遠にそのままであり、今や彼女の細胞一つ一つが超再生の魔石と同じ力を持つといってもいい。
・赤色の魔石
正式な名称は不明。魔女枢軸が外部の魔女を支配する首輪に埋め込まれているもので、戦火の魔力が関係していると推測されている。
詳しいことは分からないが、首輪の装着者が反乱の意志を見せればすぐに起爆ができるものだと推測される。
現在魔女機関においてこの魔石を無力化できるのはアイヤツバスただ一人。
・蜘蛛の魔石
正式な名称は不明。アラクニーの力が封じ込められており、これを手にしたバースデイが実質的にカーサースの森の支配権を得ていた。白く濁り、その中に蜘蛛の巣の文様が浮かび上がっている。
アラクニーとカーサースの森は一蓮托生の関係にあるが、その間柄を容赦なく邪魔するのがこの魔石らしい。
・伝説の黒竜
御伽噺にも名を残す、伝説の龍。しかし正確な情報の大部分が喪失されていて詳細は不明。その名は『隠されし運命』を現し、ヴェルペルギースの守護神とされている。
作中では実際にヴェルペルギースが危機に瀕した際に舞い降り、その強大な力をもって脅威を排除した。
しかし依然として名前や動向は不明のままである──今のところは。
・魔神
魔の神、あるいは魔女の神。デヴァイタルの信仰などでいわれる『神』たちとは全く異なるもの。
その正体は、『魔女が変質し、神に限りなく近いほどの力を得た』存在である。
『世界を覆すほど多量の魔力が、魔女を魔神へと昇華させる』『世界へ直接的に介入し、己の望むままに書き換える』などの噂がある。
当然だが、魔神に至るのはそう易しいことではない──どころか、歴史上・記録上、これまでに魔神に成った魔女は一人として存在しない。先の噂と合わせ、その存在はあくまで伝説に近いものではある、が……
・追録される追憶の世界
アーカシャとゲデヒトニスの魔法をかけ合わせることにより構築される精神世界のこと。当然、立ち入れるのはアーカシャとゲデヒトニスだけである。
雲のない青空とどこまでも凪ぎ続ける塩湖のような情景。この世界において、アーカシャとゲデヒトニスは現実世界では不可能な身のこなしを可能とする。
また、二人の記憶と記録が如実に再現される世界であるため、それらを元にした人物や物品も忠実に再現することが出来る。
二人はしばしばこの世界を利用しており、二人だけの言葉、二人だけの想いを交わし合うのに使っていた。それは、最後まで──
・花暗号
花言葉を利用した暗号。いまだ開発途中であり、アイヤツバスと先代邪悪魔女4iブルーメンブラットが共同で開発を進めていた。
複数の花を組み合わせ、それらの花言葉で暗号を作るという、なんともロマンチックなもの。
暗号としては簡単に読み取られそうだが、花の向きや表裏、上下によって文法や意味が異なってくるため、素人が解読することは困難──とされているが、実際には開発段階はまだそこまで至っていない。故にアディスハハにもある程度の解読が可能となっていた。




