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#3 いと高きものの地獄
【#3】
雨の中、心が錆びつくのも厭わず、ゲブラッヘは拳を握る。
「死んだ。みんな死んだ」
ひとり、ぽつり、呟く。
「愚かだ。愚かな奴から死んでいく。みんな愚かだ。愚かだった。それだけだ」
彼女は、語りかけるような相棒の残滓を持たない。故に、その言葉は己自身に向けられる。
「…………ボクは、違う。ボクは……ボクは愚かじゃない」
言葉に、段々と、熱と感情が籠り、やがて。
「ボクは──!」
抑え切れない数多の感情。そしてゲブラッヘは走り出した。
その目に宿す、心は。
「────アクセルリスッ!!!」
【リリース/アインザッツ おわり】