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残酷のアクセルリス  作者: 星咲水輝
34話 空っぽだった棺
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#? 冰憐の眼差し、果てへ

「────」


 全てが終わった荒野で、アイヤツバスは佇んでいた。


 周りでは魔女たちが砦の撤収作業を行っている。

 イェーレリーを始め、多数の魔女が負傷した。それでも、安堵の感情か、作業はするりと進みつつあった。


「──」


 空を見上げる。雲一つない夜空。

 想起するのは、あの『寒気』。


 黒龍が齎したあの冷気は──本当に、感覚だけだったのだろうか?

 アイヤツバスは、一つ呟く。


「──悪寒、かしら」


 そう口にする表情は、依然として、微笑んでいた。


 しかし、その腹の内──心の底は。



「────ふふっ」



 彼女が心から笑える日は、そう遠くない。

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