ダナの身の振り方とバクテー
メインはセロリの炒め物と肉骨茶を作る。
ティーバッグのものもあるが、今日は準備をしていなかったので、適当に香辛料をブレンドして作ることにする。
八角とシナモンをベースにクローブ、鷹の爪、ブラックペッパーをブレンドし、圧力鍋に鶏ガラスープ、酒、オイスターソース、塩で作ったスープに、豚スペアリブと軽く潰したにんにくを人数分と生姜を入れて炊いていく。
鶏もも肉を細切りにし、塩コショウで下味をつけておき、にんにくは薄切りと包丁で潰したものと一緒に炒め始める。
セロリは葉まで使い、くし切りにしたたまねぎとトマトをナンプラー、酒、醤油オイスターソース、砂糖で味付けをする。
炒め物を作る時はフライパンより中華鍋の方が何となく好きだ。
少し取っておいたセロリ、レタスと水に晒したスライスたまねぎをメインにして、レンジで酒蒸しにした冷凍イカを覚してからライム、ナンプラー、ミルサーで種ごと砕いた鷹の爪、砂糖を合わせたドレッシングで和え、糸唐辛子を飾りで乗せておく。
何だかまだ寂しいので、もやしを電子レンジで下拵えし、塩、鶏がらスープ粉末、ブラックペッパー、ガーリックパウダー、ごま油で和えておく。
豆もやしならもっと美味しかったのだろうが、急遽増やしたメニューなので仕方無い。
あと、バクテーに大根でも入れておけば、量も稼げたのかも知れないな。
今度、試してみよう。
大人が増えると、量も増やさないといけないので、なかなか献立を考えるのが大変だ。
レンゲにコメを乗せ、スープに浸す食べ方を教えると、ギンタは米ばかり食べている。「ん。美味しい。」
対してダナは少し苦手なようだ。
人狼族は匂いのキツいものが苦手なのかも知れないな。
「これが苦手なのか?」
八角の瓶を持ってきて、ダナの前で開けてみる。
「あ、これはちょっと苦手です。」
ちょっとじゃない顔だが。
「でも、最近、このナンプラーというものも慣れてきました。」
ナンプラーとオイスターソースは結構使うので、大瓶で買っている。
折角ライムを買ったので、今日は氷を入れたグラスに砂糖を加え、ライムを絞り込んだものと切ったものを入れて、カシャッサを注いでカイピリーニャを作っている。
底にザラザラと砂糖が残る気の抜けた感が好きだ。
今日はダナもいるし、多少の酒は良いだろう。
「そういや、ダナはいつまで日本にいる積もりなんだ?」
「まだ検討中です。」
「トリヴォニアに行くぐらいまでには決めとかないといけないんじゃないか?」
「そうなんですけど…」
「まあ、まだしばらく日本にいるなら、ギンタに読み書きを教えるのをまだお願いしてもいいかな?」
「はいっ。頑張ります。」
「それと、魔法術式のテストとかも頼んだりできるかな?」
「あ、そうですね。その方が実験も捗りますね。」
「はい。それは本国にも確認をとっておきます。」
「そう言えば、明日は祝日だけど、どこか行く予定はあるのか?」
「あ、いや、ちょっと…」
小野くんが言い淀む。
バレバレだし、応援する積もりだから、別に隠さなくても良いと思っているのだが。
今日のところはまだ知らない振りでもしておこう。
「いや、俺も何も考えて無かったから聞いた何となく聞きただけだよ。」
「ギンタはどこか行きたいところある?」
「ん。ちょっと考える。」
食事を終えると二人はいそいそと帰っていった。
本日のご飯
○夕食
・白米
・セロリとトマトの炒め物
・肉骨茶
・イカサラダ
・もやしのガーリックナムル風




