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人狼族とホットサンド

 彼女らが車で来ていたことを忘れて酒を出したのであるが、結局二人共酒を飲んでしまったため、今日は家に泊まるように言っておいた。

 若い女性二人なので、扱いに困るが、ギンタの部屋に布団を敷いておくと、シャワーを浴び、三人で寝ることにしたようだ。

 因みに、着替えは車に積んでいたらしい。

 湯上がりの若い女性がいると、ついつい目が行きそうになる。

 ギンタに気付かれないよう、必死で自然に装う。

 特にダナは身長があるだけではなく、出るところはしっかり出ており、女性らしいプロポーションは、黙っていればモデルと言われても信じてしまいそうなぐらいだ。

 肩の辺りはややがっちりしているが、それも健康的な印象を与えてくれ、そこまで不自然ではない。


 四人分の朝食となると、意外とメニューに困る。

 昨晩ギンタにお使いに行ってもらった時に買ってきてもらった食パンに家にあるものを詰めて、ホットサンドを作ることにする。

 冷凍庫に保管していた残った豆カレー、チリコンカン、チーズとベーコン、ザワークラウドとソーセージで節操のないメニューになったが、かなりのボリュームになった。

 12枚切りを2斤分焼いたため、余るかと思われたが、ダナが結構な量を平らげたため、きれいに無くなった。

 作ったものがきれいに無くなれば、また作りたくなる。

 ただ、毎日はお断りしたいところだ。

 色々なメニューを作るなら、量と火加減に悩むこともないから、二人が楽なのである。


 今日はギンタは白いワンピースに白い刺繍の入った黒いカーディガンを羽織っている。

 最近は自分で着る服を選ぶようになってきている。

 ギンタが育った時代をよく考えれば、毎日服を変えるなんて、貴族ぐらいだったろう。

 人狼族と暮らしていたギンタだと、大分と汚れるまでは毎日同じ服を着るのは普通だったろうから、最初は戸惑ったのかも知れない。

『そうだ。会社の名刺を渡しておくよ。』

 そう言ってヴァイラに見せてからダナに名刺を渡しておく。

 どうもヴァイラは日本語を読めないようなので、ダナに読んでもらうように促す。

 ダナが名刺の内容を読んでヴァイラに聞かせる。

『会社の代表をされているのですか。』

『まぁ、社員もそんなにいない小さな会社だよ。今からギンタは学校で、俺は会社に行くから。』

『学校!?』

『ああ。小学校に通わせている。』

 二人共驚いた表情をしている。

 容姿からすると、小学校に通っているのは自然に見えるが、ギンタのことを知っている彼女らには意外だったようだ。

『ギンタ様をお守りせねば。』

 学校に付いて行くつもりかダナが意気込んでいるが、ヴァイラは体制を整え、本部へ連絡が必要だと諭し、何とか一旦ホテルに戻るよう説得できたようだ。

 帰宅時間を伝え、ギンタが帰っていれば家で待ってて良いと伝えた。

本日のご飯

○朝食

・ホットサンド(豆カレー、チリコンカン、チーズとベーコン、ザワークラウドとソーセージ)

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