パリパリパンケーキとニュースの影響
朝からパンケーキを焼いてみる。
米粉を足して、ホットサンドメーカーで焼くと、表面がパリパリに仕上がる。
最初は生地を甘くなく仕上げ、ハムとチーズを入れて焼く。
次は生地に砂糖を足して、板チョコを挟んで焼いてやる。
『ん。パリパリ。ハムも良いけど、チョコが美味しい。』
中でとろけるチョコがお気に召したようだ。
チーズとチョコは入れ過ぎると油が漏れるから要注意だ。
弁当には塩コショウだけで焼いた胸肉に残ったサルサソースをかけたもの、ピーマンに鷹の爪をいれて出汁醤油で炊いたもの、玉子焼き、プチトマトと冷凍食品のクリームコロッケを詰める。
今日着るリボン付きのプルオーバー、プリーツスカートとスクール水着を準備して渡す。
『今日から、やっと平常どおりだな。会社に行くから、お昼は冷蔵庫に入れたお弁当を食べといてくれ。夜は暗くなる前に帰ってくること。』
『何で早く帰るの。』
『面倒なトラブルに巻き込まれないように。お前にちょっかいをかけてきたら大変だろ。』
『殺さなかったら良い?』
『まずは、トラブルを避けるようにして。分かった?』
『うん。』
「先に出るよ。いってきます。」
「いってらっしゃい。」
「おはよう。」
「おはようございます。」
「鈴木さん、ちょっといいっすか。」
「うん。どうした。」
朝イチから小森くんに打ち合わせブースに連れて行かれる。
「良い報告と悪い報告があるんすけど、どちらからしましょうか。」
「どうせ聞かないといけないなら、悪い方からで。」
「産業新聞社との子会社設立の件なんすけど、この間事件で向こうさんが渋りだしたみたいなんすよ。」
「まあ、発砲事件なんかに巻き込まれれば、向こうも警戒するのは当然だろうな。」
こちらとしては、娘を狙われた挙句、会社の仕事にも損失を与えられ、踏んだり蹴ったりだ。
「ウチの娘を攫おうとしたんだが、そんな事供述したら罪が重くなるだけだから、黙秘するだろうし、状況は良くならんな。ウチの100%出資でも考えとくか。」
「次は、良い方の報告なんすけど、事件後にサイトアクセスが20万アクセス毎時を記録しました。」
「テレビの効果って凄いな。それから幾らか定着してくれれば良いんだけどね。ってか、サーバの負荷は大丈夫だったのか?」
「テレビでニュースが流れてすぐに小野さんにお願いして、臨時にWebコンテンツサーバを増設して対応したっす。コンテンツ複製の間に一時捌ききれなくなってたんすけど、50分程で対応完了しました。」
「マジか。一時間以内か。」
ウチのスタッフは思いのほか優秀だった。
「シュシュ用にサーバを準備していたのを転用できたのが大きかったっす。」
既に即運用可能なサーバが準備していたとしても、なかなかの手際だ。
「あ、鈴木さん、探しましたよ。」
小野くんがおれの姿を見付けて近づいてくる。
「そういや、事件の日は大活躍だったらしいな。」
「それなんですけど、シュシュ用と新プロジェクト用に置いていたサーバを転用しちゃったんで、そちらの作業が進まなくて。あと、まだアクセスが落ち着かないので、戻すに戻せなくて。それに、まだアクセス解析がサーバ増に対応できていないんです。」
いや、良い報告とは言い切れないし、思ったより大変な事態じゃないか。
「ちょっと考えさせてくれ。いや、小森くんも一緒にな。」
本日のご飯
○朝食
・パンケーキ(ハム・チーズ、チョコレート)
○昼食(弁当)
・サルサソースチキン
・玉子焼き
・ピーマンの炊いたん
・クリームコロッケ(冷凍食品)




