表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/168

パソコン到着

 翌日の昼頃に、待っていたパソコンが到着する。

 昨日のうちに八百屋から木箱を分けてもらっていたので、その上に載せてセットアップを始める。

 読み込み速度二倍のCD-ROMをふわんふわんいわせながらインストール作業を行う。

 本体もそう新しいものでないこともあってか、ドライバモジュールの追加もなく、無事にインストールが終了する。

 そこから、Webサーバー、CGI用のスクリプト言語のセットアップを行っていく。

 このスクリプト言語も元いた世界にあったものとよく似た仕様のものであったため、早速いじくり回すことにする。

 昔はパソコンの処理速度やデータ処理が面倒だったこともあり、CGIだけでなく、メインフレームからのダンプデータなどを処理するのにも使っていたことがあるので、それなりに使えるのだ。

 HTMLの方もまだまだエディタやCMSが存在しておらず、テキストエディタで書くのが主流となっているが、この辺りも一通り経験済みなので、困ることもない。

 次に雑誌の付録にあった全文検索のプログラムを探し、とりあえず、CGIのみで動作可能なものを見つけ、突っ込んでいく。

 何をしようとしているのかというと、大規模掲示板サイトを構築しようとしているのだ。

 そして、最初から万単位のアクセスを想定し、出来る限りI/Oの発生を減らすように設計していく。

 タイプが遅々として進まないが、今のところこの新しい言語に慣れながらの作業となるので、根気強く作業を進めていく。

 また、携帯電話でもアクセスが容易になるよう、軽量化や視認性を考慮しながら設計しながらプログラミングしていく。

 携帯電話は実機が欲しいところであるが、どうにもならないものは仕方がないので、携帯ブラウザ黎明期当時の知識を活用しながら作業していく。


 義手が支給されるまで、病院と市役所に行く以外用事は全く無く、病院関係者と担当のケースワーカーの以外の人間と全く会話をしない日々が続いている。

 あまりにも寂しくなってしまい、スーパーには行かず、商店街で買い物をするようになった。

 俺が触れた本については、ハルにその情報が蓄積されるため、ハルから触れた本の情報を得ている。

 図書館はまだしも、書店は良くないとは思いながらついついハルを使ってしまっていた。

 これには、ハルからも書店で買わない本はもう読み込まないと怒られた。

 結局、他にすることが無く、作業に集中できたため、一月が経過した頃には、掲示板のシステムはほぼ完成した。

 全文検索機能付きの掲示板はまだどこにも存在していない。

 生活扶助費の支給が明日になるので、受け取りついでにプロバイダ契約を行う手続きについて相談しにいく予定である。

 かなり前から、プロバイダ契約や深夜接続し放題の契約をしたいことは伝えているので、最終的な確認だけになる予定ではあるが。


 この間に作っていたプログラム等を見せていたことも功を奏し、何とか、説得してネットに接続する環境を整えることができた。

 電話回線をモデムにつなぎダイヤルアップする。

 ATコマンドで機器制御していた頃を思い出す。

 ダイヤル音が接続していることを実感させる。


 プロバイダ契約に付属していたスペースに掲示板CGIを突っ込み、テストサイトを立ち上げる。

 ビジネス・政治を主に取り扱う『まじめ速報』と芸能ネタからオタネタを取り扱う『ふまじめ速報』の二つを合わせたキュレーション兼掲示板サイトをメインとする。

 それから、『あんぐらわーるど』のアンダーグラウンドな情報を主に取り扱うサイトも作成する。

 アンダーグラウンドコンテンツはいつの時代でも一定の需要はあるものだ。

 ただ、ネットコミュニケーションは元々苦手なので、掲示板自体の盛り上げについては、人材の確保をしていく必要もあるだろう。

 それと同時に掲示板を利用しそうな層が集まるサイトを探し、リンク依頼を送りまくる。

 アクセスが増えるまでに、リンク広告のサイトを調べ、その会社将来性などを調査して選んでいく。

 やっとSSLが実装され始めたぐらいで、オークションサイトは辛うじて存在していたが、ネット通販もまだ銀行振込決済のものしか無く、広告の選定には時間がかかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ