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電気街

 早速、翌日の朝から電気街へ向かう。

 まずは、電気街に向かい、価格調査から始める。

 国鉄に乗ると、意外と乗り換えも少なく、早く着いた。

 深谷の駅を降りると、雑然とした電気屋が並んでいる。

 ケーブルから基盤まで売っている小さな店が高架下を始めとして、軒を連ねている。

 なんだか懐かしくなって色々と見て回りたくなるが、まずは目的を果たしに動こう。

 中古やジャンクを取り扱っている店を中心に回ってみると、ノートパソコンの人気が出始めたため、デスクトップが値崩れを始めているようである。

 能力はかなり低いものの、手頃な値段の本体を見つけることができた。

 オフィスで使われていたリース期限切れのものであるが、ベーシックなアーキテクチャを採用している製品であるから、フリーのOSでも充分使用できるだろう。

 まだ、CRTが主流なので探していると8インチの元々サーバ用で使われていた中古品を見つける。

 価格が安かったのもあるが、暫くはCUIで使用する予定なので問題ないし、軌道に乗れば、本来のサーバ用にする積りだ。

 なんとか食費を切り詰める程度で一通り揃えることができそうだ。

 決心をして周辺機器はジャンクで揃え、自宅まで宅配してもらうよう手配する。

 次に、本屋へ向かい、フリーのOSが掲載された雑誌を探す。

 まだ、インターネット接続ができる環境はまだ先になるので、CD-ROMのみでインストールできるものを選んだ。

 さて、目的を果たすことができたので、日が暮れるまで周辺を散策してみることにする。

 アニメ系のショップはいくつか見かけたが、まだこの世界にメイド喫茶は存在していないようである。

 時代を先取りして、メイド喫茶を開業するというアイデアも無いではないが、行ったこともなかったため、どんなサービスをしているのか詳しく知らないし、どんなサービスが求められているのかよく分からない。

 やはり手を出さないでおこう。

 あと、意外だったのは、携帯電話やPDA等のモバイル製品が、元の世界と比べてかなり普及している。

 どうやら、電池技術の発達を待たなくて良かったことが、モバイル製品の発達を促しているようなのである。

 何故、電池技術の発達を待たなくて良かったかというと、魔法である。

 魔力から電気を生み出す魔法術式が発達し、モバイル製品に搭載されている。

 その為、逆に電池やバッテリー製品が異常に高価なものとなっており、簡易型のUPSでも目玉が飛び出るような値段がつけられていた。

 灯火の魔法などは、魔力制御をし続ける必要があり、それなりの難易度を求めれるものであったため、すぐに懐中電灯に取って代わられたらしい。


 自宅に戻ると、苦痛な食事の時間がやってくる。

 料理は得意なはずであったが、片手では遅々として進まない。

 そのため、調理が簡単なものばかりとなるので、メニューが限られてしまうのだ。

 野菜が最も強敵だった。

 まだカット野菜も普及しておらず、あったとしても非常に高価なうえ、サラダ類しか見当たらない。

 仮の義手でもなければ、ピーラーすら使えない。

 人参なんて絶対に無理だ。

 米は鍋で炊き、人参の入っていない筑前煮や高野豆腐を作り置きしておく。

 しかし、卵を片手で割れるようになっていて、本当に良かった。

 卵焼きは焼けないが、目玉焼きやスクランブルエッグぐらいは何とかなった。

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