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新しい日常

 朝食は、トースト、昨日買っておいたベイビーリーフのサラダ、スクランブルエッグとベーコンで済ませる。

 スクランブルエッグに生クリームが欲しかったところであるが、牛乳で誤魔化し、粗熱をとってからマヨネーズを混ぜ入れてから、ブラックペッパーを振りかける。

 俺はマヨ派だが、嫁はケチャップ派だったことを思い出してしまった。

 服装には興味が全く無いらしく、昨日着ていた服を探してそのまま着ようとするので、前に買ったブルーグレイのブラウスと黒いベロアのプリーツスカートを選んで着せる。

 シンプルでクラシカルすぎるかと思ったが、無口な彼女の雰囲気と釣り合っている気もする。

 ちょっと胸元が寂しい気もして、黒いリボンを結んでおく。

『うん。可愛いな。』

『そうか?』

 やっぱり、褒められるとうれしそうだ。

 いくらほめても褒め足りない気もするが、親バカはこれぐらいにしておこう。

『昼に戻ってくるから、大人しく待っててくれ。』


 朝食を作るついでに久し振りに炊いた揚げを持って、仕事に向かう。

 タケヒコの所にお供えをして、出る所でハルに呼び止められる。

『土地神達の中でギンタの事で騒ぎになってるみたいだぞ。』

『何故だ。』

『そりゃ、外国から珍しい、それも大きな力を持った者が来たからな。』

『今は弱っているうえに、瘴気は使わないようにしてるんじゃないのか。』

『それでもかなり力がある。』

『何とか揉めないで済まないのか。』

『タケヒコには説明しといたが、まだ少し訝しげだったがな。』

『本人が来てないのもあるかな。彼女の半分は日本人だし。』

『まあ、一度会わせてみるか。あと、早く瘴気を浄化する道具を完成させないと、陰陽師等の厄介事が増えてくると言ってる。』

『近隣にも迷惑だしな。とりあえず、敵意は無いようで良かった。タケヒコには夕方に連れて来るって伝えておいてくれ。』

『ああ。』

『あと、一つ聞きたいんだが。タケヒコって、狐だよな。』

『それは本人に聞いてくれ。』

『いや、俺は話せねえよ。』


 久し振りに出社し、まずは、小野くんに礼を言いに向かう。

「急に頼み事をして、迷惑かけたな。すごく助かったよ。ありがとう。」

「いえ、お子さんはどうなされているんですか?」

「今日は家にいてる。午後から役所に行って、色々と手続きをしに行かないといけないよ。」

 背後での他の従業員達が興味を持って聞き耳を立てている。

 事務室に戻ると小森くんがいた。

「二週間も離れてて、迷惑かけたな。」

「小野さんから聞きましたが、お子さんの事、どうするんですか。」

「どうするも、別に一緒に暮らすだけだが。もう10歳ぐらいだし、早く帰れれば特に問題もない。ただ、女の子だから、色々と分からない事もあるけどな。」

 記憶を無くしている事になっているから、子育て経験が無い男が子供を急に持つことが心配なのだろう。

「そうですか。」


 朝から溜まっていた決裁を捌いていく。

 すぐに捌かないといけない物だけ捌いて、かなりの物を放置することになったが。


 昼過ぎに家に戻り、ギンタを連れてランチに向かう。

 ランチにピザを出す店があったのを思い出す。

 窯を置いてある本格な店で、前から行ってみたいと思っていた所だ。

 俺はベーシックなマルゲリータを頼むがギンタはパンチェッタが乗った物を頼む。

 ランチメニューで、生ハムの乗ったサラダと飲み物がついてくる。

 フォークとナイフは何とか使えるぐらいで、箸はまだ持たせていないが、難しいだろう。

 トマトソースは昨日に食べられる事が分かったので、手で食べられるピザが一番面倒が無くて良かったのだ。

 期待どおり、薄くて香ばしく焼けた生地の物が出てくる。

 少しだけ交換してお互いの味見はしたがギンタはペロリと平らげて、すぐに無くなっていた。

今回のご飯

○朝食

・トースト

・ベイビーリーフのサラダ

・スクランブルエッグ

・ベークドベーコン

○昼食(外食)

・パンチェッタとモッツアレラのピザ

・マルゲリータピザ

・生ハムのサラダ

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