005. 選ばれしスキル
寒い・・・。
人間も冬眠すればいいのに。
「では《暗黒騎士》のことが分かったところで、どのスキルを手に入れるか決めていきましょう。海斗さんにはこれから初期習得可能な100のスキルから7つを選択していただきます。」
「100?スキルとは100種類もあるものなのか?」
「いえ、あくまでもキャラクターメイクの段階で習得することのできるスキルが100種類なのであって、実際はもっと多くのスキルが存在します。 私たちナビ妖精も具体的にいくつのスキルが存在しているかは教えられていないんですけど・・・。」
「なるほど。では今習得できる100種類以外のスキルはどのようにしたら手に入れることができるのだ?」
「スキルは [REALITY≠TRUTH ONLINE] をプレイしていく中で手に入れられることがあります。スキルを取得するにはスキルごとに設定された『取得条件』を満たす必要があります。この『取得条件』は本当に様々で、具体的にどのようにすればよいかは明かされてはいません。憶測を立てながら手探りで探すか、もしくは『修得条件』を見つけた他のプレイヤーの方に教えていただくか、そのぐらいしか『修得条件』を知るすべはありませんね。」
地道に探して行けということか・・・。
「では今習得できる100種類のスキルを表示します。この中から選んでいただくのですが、何か気になるスキルはありますか?」
「そうだな・・・。とりあえず《暗黒騎士》の画面に載っていた3つはとってみようと思う。」
「【武技/大剣】【魔法/闇】【威圧】の3つですね。確かに成長率上昇ボーナスがあるのなら取得してみてもいいかもしれません。武技スキルと魔法スキルが1つずつあれば初めのうちは戦闘も問題なく行えると思いますし。ではスキルリストの中からその3つを選んでタッチしてください。」
よし、煌星のお墨付きも得たことだし。100種類もあると目的のものを探すのも少し手間だな・・・。
・・・よし、3つとも見つけられたぞ。ではこれらを選択して・・・
『スキル【武技/大剣】を取得しました』
『スキル【魔法/闇】を取得しました』
『スキル【威圧】を取得しました』
「どうやらちゃんと取得できたようだな。」
「ええ。では残り4つはどうしましょう。」
あと4つか・・・。煌星は選ぶスキルによっては《暗黒騎士》のデメリットを打ち消すことができるかもしれないといっていたな。デメリットというと『光属性耐性低下』と『他のプレイヤーとのパーティ作成不可』だったな・・・。まてよ、『他のプレイヤーとのパーティ作成不可』ならプレイヤー以外とならパーティが作れるということではないか?
「煌星よ、職業選択の時に出てきた《調教師》という職業は魔物を使役できるのだろう?スキルも職業と同じで神からの恩恵ならば、スキルの中にも魔物を使役できるものはないのか?」
「え、ええ、【テイム】というスキルがあれば魔物を使役することができます。」
「魔物がどういうものかはよくわからないが、プレイヤーとは異なるものなのだろう?なら《暗黒騎士》という職業でもパーティが作れるのではないか?」
「・・・確かに。『職業特性』の欄には『パーティ作成不可』ではなく『他のプレイヤーとのパーティ作成不可』と書かれていました。テイムした魔物は『他のプレイヤー』ではありませんからパーティが組めるはずです。盲点でした・・・。」
「よし、では早速このスキルを取得しよう。」
『スキル【テイム】を取得しました』
これでパーティを組めるようになったな。残りはどうするか・・・。
「残り3つ、どうしたらいいと思う?何かおすすめのスキルはあるか、煌星?」
「え!?お、おすすめですか?えっと、そうですね・・・【武技】スキルと【魔法】スキルをもうひとつずつ身に付けた方がいいかもしれません。」
「【武技】と【魔法】をもうひとつずつか・・・」
「海斗さんは【武技/大剣】を取得しましたけど、大剣は一撃の威力は高いですが重く取り回しに難があるので、素早い相手や体の小さな相手には攻撃が当てずらいと思います。ですのでそういった相手に対応できる武器のスキルを会得しておくといいと思います。【魔法】に関しても闇属性に強い耐性を持つ魔物もいると思うので別の属性の魔法も使えた方がいいのではないでしょうか。」
「おお、なるほど。確かに大剣のみだと相手によってはつらいかもしれないな。となると良さそうなのは・・・【武技/短剣】か【武技/格闘】あたりか。」
「そうですね。どちらか取得しておけば大丈夫だと思います。」
どちらにするか・・・。短剣なら斬りつける以外にも相手の攻撃を受け止めたりすることもできるだろう。格闘の方は武器を抜いたり構えたりする動作がない分、素早く攻撃に移れる強みがある。悩むな・・・。
・・・・・・・よし
「【武技/短剣】の方にしよう。」
「魔法の方はどうします?闇以外だと火・水・風・土・光の5つがありますが?」
どれがどうとかよくわからない。説明を聞いたても魔法そのものをあまり理解していないのだからしょうがない気がする。直感で選ぶか・・・。
「『海斗』にちなんで【魔法/水】に決めるか。」
「わかりました。それでは【武技/短剣】と【魔法/水】を取得しましょう。」
よし、では取得。
『スキル【武技/短剣】を取得しました』
『スキル【魔法/水】を取得しました』
「これで6つ決まったな。残りは1つ。」
「うーん・・・どれにしましょう・・・。」
なにか、なにかないか?残りの中から目を引くものは?・・・ないな。ピンとくるものが何もない。職業を決めた時のような『ランダムセレクト』もないし、どうするかな・・・。
こういう時は心を無にして考えてみよう。無の心、無心だ。無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無心、無、無、無、無、無、無、無、無、・・・・・・・
『スキル【魔法/無】を取得しました』
・・・・・あ。
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[NAME] 海斗 Lv.1
[TRIBE] 異界人
[JOB] 暗黒騎士
[PARAMETER]
[HP] 20/20 [MP] 15/15
[ATK] 30 [DEF] 20
[MAG] 20 [SPT] 20
[AGL] 20 [SEN] 20
[TEC] 20
[SKILL]
【武技/短剣[1]】 【武技/大剣[1]】
【魔法/水[1]】 【魔法/闇[1]】
【魔法/無[1]】 【威圧[1]】
【テイム[1]】
[EQUIPMENT]
[WEAPON-1] ---
[WEAPON-2] ---
[HEAD] ---
[BODY] ---
[ARM] ---
[LEG] ---
[ACCESSORY-1] ---
[ACCESSORY-2] ---
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