009. 旅立ちと別れ、そして謎の声
今回少し短めです。
「海斗さん、これで [REALITY≠TRUTH ONLINE] をプレイするための準備はすべて終了です。本当はほかにもお教えしなければいけないことがたくさんあるんですが、神様『初めに何もかも教えてしまっては彼らのためにならない。誰かから与えられたものではなく、自らが試行錯誤して手に入れたものこそが大切なのだ。』とのことで、これ以上のことはお教えできないんです。ですのであとは海斗さん自身で頑張ってくださいね」
「ああ、わかった。まあ何とかなるだろう」
「色々世話になったな、煌星」
「ではこれから海斗さんを [REALITY≠TRUTH ONLINE] の世界にお送りします。・・・これでお別れですね」
煌星がそういうと、視界が次第に光で覆われていった。なんとなくこれから別の場所に行くのであろうということが理解できた。だがその前にどうしても聞いておかなければならないことがあった。
「・・・また会えるのか?」
「・・・・・・」
どうしてもその問いの答えが聞きたかった。しかし煌星の口から答えを聞くより先に視界のすべてを光が覆い尽くしていた。
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「行ってしまいました・・・・・」
不思議な人だったなぁ。今まで担当したプレイヤーの方々はあくまでナビとしてしか見ていませんでした。皆さん [REALITY≠TRUTH ONLINE] を待ち望んでいてくれたのはすごくわかるんですけどね・・・。でも海斗さんは私と対等に会話してくださいました。
「もっと色々お話ししたかったです・・・・・」
さびしいです。でもただのナビでしかない。ナビとしての役目を終えた以上、私がもう一度海斗さんと会うことはない。だけど・・・それでも・・・・・
「・・・・・・もう一度会いたいな」
『いいよ』
「え?」




