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1718話 目下の目標

「やはり、目下の目標は近麗地方の平定だよな。現状は……」


 俺は手元の地図に視線を落とした。

 そこにはこう書かれている。



            北北

           北北北北

           北北北北

           北北


           北北

          北北北

          北北北

         中中北北

        中中中漢漢

九九九 重重近近中中中漢漢

九九九 重重近近近中中漢漢

 九九    桜那中中

 九九 四四 湧深

 九九 四四


桜……桜花藩おうかはん

湧……湧火山藩わかやまはん

那……那由他藩なゆたはん

深……深詠藩みえはん



「翡翠湖には曰く付きの迷宮がある。死牙藩の白夜湖には特殊な妖気が漂っており、強力な妖獣が集う。天上人が住むとされる虚空島は、そもそもの情報が少ない。だからこそ深詠藩の征服で一区切りとして、作戦を練っている最中なわけだが……」


 俺は、半ば独り言のように呟きながら、地図に指を滑らせた。

 色褪せた紙の上に描かれた三つの異境は、それぞれが異なる脅威と謎を孕んでいる。


 翡翠湖の迷宮は、過去に何人もの探検者を呑み込んだ曰く付きの地。

 死牙藩の白夜湖は、濃霧の中に妖気が渦巻き、武者修行に訪れた猛者すらも逃げ出すという。

 そして、虚空島――その存在すら伝説めいており、天上人という言葉だけが宙に浮いていた。

 だからこそ、まずは情報を集める。

 それを元に、次の一手を描く。

 そういう段階なのだ。


 俺が思考を巡らせていた矢先、ふと、天守閣の入口から微かな気配が漂った。

 風の動きにしては不自然。

 誰かが近づいてきたのだ。


「高志様、ご報告があります」


 くぐもった声。

 だが、俺にはすぐにわかった。


「おお、紅葉か。それに、他のみんなもいるようだな」


 俺はゆったりと立ち上がって出迎える。

 7人の配下が、足音が重ならぬように整然と入ってきた。


 先頭に立っているのは、薄い紅の髪を風に揺らす少女――紅葉。

 彼女の姿は一際目を引いた。

 山間部の寒村に生まれながら、今や桜花藩を代表する植物妖術使いとして名を馳せつつある。

 それだけでなく、内政においてもその存在感を増し続けている。

 俺のチートスキルの影響が大きいとはいえ、彼女自身の才覚や努力も大きい。

 頼りになる存在だ。


 そんな紅葉が一行の先頭に立つのは、単なる偶然ではない。

 俺の配下の代表格として、他の配下から信頼され、期待されている証だ。

 彼女の後ろには、流華と桔梗。

 さらに無月、幽蓮、黒羽、水無月と続いている。

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