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1615話 見・聞・色

「無月、お前が選んだ精鋭たちが裏切り者である可能性を考えたことはあるか? 人を信じる行為は尊いが、盲目的に信じるのは駄目だぞ。人はよく観察しないとな」


「主……」


 無月が尊敬や畏怖を伴った視線を俺に向けてくる。

 俺は内心でニヤついた。


(ふふふ……。強化したスキルを利用して、いい感じのパフォーマンスができたな)


 俺は昨日、『ステータス操作』で『視力強化』や『聴覚強化』を伸ばした。

 その他にも、以前から『気配察知』『闘気術』『魔力強化』など数多くのスキルを取得し強化してきた。

 加えて、唯一無二のチートスキル『加護付与』は、その副次的な恩恵により他者から自分への忠義度を確認することができる。

 そういった諸々の力を組み合わせれば……俺に対して敵意を持った者を的確に察知し、その未来を擬似的に読むことすら可能になるわけだな。


(要素として最も大きいのは……。『見る』に特化した『視力強化』、『聞く』に特化した『聴覚強化』、そして『色恋沙汰』を含めた人心掌握に応用できる『加護付与』あたりか?)


 さしずめ、『見・聞・色』による未来予知ってところだな。

 自分で言うのも何だが、人間離れした芸当だと思う。

 まぁ、チートスキルのおかげだけど。


(戦闘にも応用できるか? ……いや、かなり微妙なところだな……)


 この芸当を実現させるには、かなりの集中力が必要となる。

 将棋や囲碁で、相手の動向を十手先まで読もうとするようなものだろうか?

 率直に言って、メチャクチャ疲れる。


 勝負事において、力量や経験に圧倒的な差があれば先読みは簡単だ。

 しかし、それほどの差があるならばそもそも普通に戦っても勝てる。

 先読みが勝負を左右するのは同格が相手のときだ。

 だが、相手も簡単には手を読ませてくれない。

 フェイントだってかけてくるし、こちらの反応を見て手を変えてくることもあるだろう。


(もっと練習してスキルを強化すれば、実戦レベルで使える日も来るかもしれないが……。しばらくはパフォーマンス専用の芸当だな。こんなハリボテのなんちゃってパフォーマンスでも、多少は忠義度を稼ぐ効果が――ん?)


 今なお呆然としている無月たちをよそに、俺はそんなことを思考する。

 そして、一つの嬉しい変化を発見した。


「葵……か」


「なっ……!」


 無月が驚愕に目を見開く。

 やべ。

 これは完全に失言だった。

 正直に事情を話してもいいが……ここには黒羽や水無月もいるからな……。

 せっかくの格好良いパフォーマンスを台無しにすることもあるまい。

 ここは頑張って威厳をキープしよう。


「何を驚いている? お前が俺に、秘密ごとを隠し通せるとでも思っていたのか?」


 俺は決め顔でそう言う。

 何の説明にもなっていないが……。

 どうやら無事に誤魔化せたようだ。

 無月たちから俺に対する尊敬や畏怖の念は、さらに強まっている。


 これでひと心地つけそうだ。

 先ほど発見した『嬉しい変化』をざっと確認したあと、闇忍に関する今後の方針を言い渡すことにしよう。

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