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1610話 次なる一手

 俺は『ステータス操作』で仲間たちのスキルを強化した。

 自分自身、紅葉、流華、桔梗の4人だ。

 これによって、謀反後の桜花城での安定感は一気に増したはずだ。

 新藩主である俺に不満を持つ者たちがリベンジ謀反を起こしても、概ね対応できる。


 強化した当日は、スキル効果の把握に努めた。

 そして、翌日。

 俺たちは再び天守閣に集まり、今後の方策を練っていた。


(……まだまだ油断はできないな。次なる一手は……)


 以前から考えている通り、実現すれば最も効果的なのは『元藩主である景春の処刑もしくは籠絡』だろう。

 景春を屈服させられれば、彼の妹である双子姉妹も同じく俺に従うはず。

 景春の父は長らく病床に伏せっており、政治的な影響度はかなり落ちていると聞く。

 ならば、やはり景春さえ政治的に排除できれば俺の敵はいなくなる。


 ……のだが、この作戦は少しばかり難易度が高い。

 有力な作戦は既にあり、それを練っているところだ。

 今は他の手頃な方策から手を付けよう。


(やはり『桜花七侍』をどうにかするべきだな……)


 樹影、夜叉丸、蒼天、巨魁、雷轟、金剛、無月の7人。

 俺が桜花城を攻め落とした日、俺はそれぞれを苦も無く撃破したが……。

 あれは、相手にコンディション不良があったことも大きい。


 樹影、夜叉丸、蒼天、巨魁の4人は、紅葉たちとの戦闘でダメージや疲労が蓄積されていた。

 雷轟と金剛は、無月の忍術による半洗脳状態が解けた直後で、思考力や判断力が一時的に低下していた。

 そして無月は、早とちりによって突っ走り過ぎていた俺に対して遠慮があった。

 つまり、それぞれ万全の状態ではなかった。


(万全であっても、1対1ならどうとでもなるが……)


 5人ぐらいを同時に相手すれば、勝率95パーセントぐらいにまで落ちるだろう。

 それでは不安だ。

 ……え?

 十分だろって?

 いや、勝率95パーセントは、逆に言えば5パーセントは負けるということだ。

 それに、もっと条件が悪くなるパターンもある。


 7人同時に襲ってきたらどうなるか?

 事前に罠や妖術陣を張り巡らせているところに誘い出されたら?

 桜花四十九侍など、多数の侍と共に一斉攻撃されたら?

 紅葉たちをガチの人質として取られたら?


 最悪の最悪を想定すれば、勝率が30パーセントを切ることも十分に考えられる。

 いや、先ほどのステータス強化によってリスクが軽減されたので、最悪の最悪でも勝率50パーセントぐらいはあるか?

 搦め手の紅葉、忍者の流華、近接特化の桔梗はそれぞれ計算できる戦力になったしな。

 とはいえ、総合的に見てリスクゼロにはまだまだ程遠い。


「……来たぞ、高志坊」


「我が主よ、お呼びにより参上した」


「おう、2人とも。よく来たな。入ってくれ」


 俺が物思いに耽っていると、ふすまの外から声をかけられた。

 入室の許可を出し、2つの人物が室内に招き入れる。

 この2人こそ、桜花城の安定度を左右するキーパーソンだ。

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