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1608話 桔梗のスキル検討

「桔梗も、長所を伸ばすのがいいだろう。具体的には『剣術』だ」


「……うん。私もそう思う……」


 桔梗は頷く。

 彼女は幼い頃から剣術を学んでいる。

 その実力は、俺と出会う前に時点で悪くない水準に達していた。

 純粋な剣技だけなら、師範代として申し分ない腕前だろう。

 俺も、入門当日には一本取られてしまったしな。


「剣術レベル4を5に上げるためには、スキルポイントを30も消費する。残りは35ポイントとなるが、その使い道は……」


「……『闘気術』を伸ばす。もう決めている……」


 俺の言葉を受け、桔梗は即座に答えた。

 物静かな彼女だが、かなり芯の強いところがある。

 彼女なりに熟考を重ね、既に意志は固いのだろう。


「闘気術か。確かに、良いスキルだな。剣術とも相性がいい」


 この世には、様々な種類のオーラ的な力が存在する。

 代表的なのは『魔力』と『闘気』だろうか。

 その他、『聖気』『聖闘気』『妖力』なども存在する。


 それらの中でも、『闘気』は純粋に身体能力を強化することを得意とする。

 剣術との相性は抜群だ。

 肉弾戦を多少なりとも行う者ならば、『ステータス操作』で闘気術を伸ばしておいて間違いはない。


 できることなら、紅葉や流華にも取得してもらいたかった。

 紅葉が闘気を扱えれば、接近されたときの耐久力が増す。

 流華が闘気を扱えれば、忍者としての活動時に行動の幅が広がる。

 そういったメリットがある。


 だが、紅葉や流華は闘気術を取得しなかった。

 スキルポイントの量がまだまだ不十分で他のスキルを優先したという事情もあるが、何よりも大きな理由として『そもそも取得候補のスキルとしてステータス画面に表示されていない』ことが挙げられる。

 俺の『ステータス操作』スキルはチートだが、万能ではない。

 一部のスキルは、何らかの条件を満たすまで取得したり強化したりができないこともあるのだ。


「桔梗は、師範との鍛錬で闘気術を会得したばかりだったな。やはり便利で強力か?」


「……うん。かなり強い。剣速も上がるし、使い方次第では負ける気がしない。……高志くん以外には、だけど」


 桔梗が静かな口調で言う。

 彼女は実直なタイプだ。

 過度な謙遜もしないし、驕り高ぶったりもしない。

 本心から、俺以外には負けないと感じているのだろう。

 実際、彼女は桜花七侍の夜叉丸を倒したことがあるしな。

 そこからさらにスキルが強化されるのであれば、彼女の安定感はグッと高まる。


「分かった。なら、闘気術を上げよう。具体的に何レベルまで上げるかだが――」


「レベル4にまで上げてほしい」


「……えっ? レベル4?」


「うん。本当はレベル5がいいけど……スキルポイントが足りないから4でいい」


 驚く俺をよそに、桔梗が淡々と言う。

 彼女は現状で、65のスキルポイントを所持している。

 そのうち30は、剣術レベル4を5に上げるために使用する予定だ。

 そして、闘気術をレベル1から4に上げるためには、合計で30のスキルポイントが必要となる。

 残るスキルポイントはわずか5。

 これでは、闘気術レベル4をさらに強化して5にすることはできない。

 その計算自体は合っているが……。

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