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1507話 夜の指導【桔梗視点】

「お爺ちゃん……。高志くん……。う、うぅ……」


 私、桔梗はうめき声を上げる。

 私がいるのは暗い部屋だ。

 窓はなく、扉は閉まっている。

 そして、私は椅子に縛り付けられているのだ。


「く……っ」


 私は歯を食いしばり、必死に椅子をガタガタと揺らす。

 しかし、拘束具が外れる様子はない。


「無駄なあがきはやめなさい」


 私の目の前で椅子に座っている男が笑う。

 彼は武神流道場を襲ってきた集団のリーダーだ。

 私を『指導』と称して痛めつけてきた奴でもある。


「……私をどうするつもり?」


「さてね。教えてあげてもいいですが……怖くて泣いちゃうんじゃないですか?」


「誰が……!」


 私は男を睨む。

 しかし、彼は余裕の表情を浮かべているだけだった。

 そして、私に近付いてくる。


「まだ幼いですが、なかなかの美しさだ。……そうだ、いいことを思いつきましたよ。今度は剣術ではなく、夜の『指導』をしてあげましょうか?」


「ち、近寄らないで!」


 私は叫び声を上げる。

 だが、男は聞く耳を持たない。


「ふふふ……。良い目をしてますね。屈服させ甲斐がありそうだ……」


 男は刀を抜く。

 木刀ではなく、真剣だ。


「まずはその綺麗な体を見せてもらいましょう。大丈夫、私の腕なら体に傷は付きません」


 男が刀を振りかぶる。

 そして、私の服が切り裂かれた。


「……くっ!!」


「ふふ……。美しい……」


 男は私を舐め回すように見る。

 切り裂かれたのは胸元の服だけだが、かなり際どい。


「う……!」


 私は身をよじる。

 しかし、拘束具で縛られているため身動きは取れない。

 男は私の目を見た。

 その目は血走っており、私に対する情欲を隠そうともしない。


「では、次は下を……」


「い、いや……!」


 私は思わず目をつぶる。

 しかし、男は構わず私の衣服を刀で切り裂く。

 下着が露わになった。


「ふふ……。良い眺めですねぇ」


「くっ……!」


 私は唇を噛む。

 そして、男を睨んだ。

 そんな私を見て、男はさらに笑う。


「ふふ……。そんな目をしても無駄ですよ? もうあなたは私のものなんですから」


「違う! 私は、あなたのものなんかじゃ……!」


 私は必死に抵抗する。

 しかし、男にとってはそれも『嗜虐』のスパイスになるのだろう。

 どんどん彼の表情が歪んでいく。


「さぁ、いよいよ主菜といきましょう」


「い、いや……!」


「ふふ……。さぁ!」


 男の手が、私の下着に伸びる。

 そのときだった。


「そこまでにしておけ」


 重苦しい声が響く。

 お爺ちゃんの声ではないし、高志くんの声でもない。

 薄暗い部屋に、さらに影が差した気がした。


「これはこれは……。まさかあなたが自らお出ましするとは、無月様」


「その名を呼ぶな。迂闊者め」


 影の正体は、全身黒ずくめの男だった。

 男は覆面をつけており、その顔は窺い知れない……。


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