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1446話 美尻

「情ねぇなぁ、おい! 大人や女の影に隠れてよぉ!!」


「うぐ……」


「同じ男として、恥ずかしいぜ! 男ならなぁ、ちゃんと自分で判断して行動してみろ!!」


「うぐぐっ……。でも、オレは男じゃ――」


 流華は悔しそうに歯噛みしている。

 何かを反論しようとするが、それを遮るように少年はまくし立てた。


「言い訳してんじゃねぇ! 男なら、もっと堂々としやがれ!! このスリ野郎が!!!」


「っ……!」


 流華は悔しそうにうつむく。

 返したい言葉はあるのだろう。

 だが、今の少年に何か言っても火に油を注ぐだけだ。

 俺や紅葉が庇い立てしても、似たようなもの。


 ここはグッと堪えるしかない。

 もう少し我慢すれば、少年の怒りも収まってくるはずだ……。

 俺はそう思ったが、少年は流華になおも言葉の暴力を浴びせる。


「お前みたいな弱虫野郎は、一生女の後ろに隠れて震えてりゃいいんだよ!」


「くっ……!」


「ここまで言われても、何も言い返せないのか? お前、チ◯コついてんのかよ? ああ?」


「う、うう……」


 少年の言葉に流華がさらにうつむく。

 その目には涙が浮かんでいた。

 さすがに、そろそろ助け舟を出すべきか……?

 俺がそんなことを考え始めた直後、少年がトドメの行動に出る。


「お前、女々しいんだよ! この弱虫野郎が!!」


 そう言って……少年は流華のズボンを引きずり下ろした。

 流華の白い下半身があらわになる。

 俺の方からはケツしか見えないが、少年には流華のチ◯コが見えていることだろう。


「…………えっ?」


 少年が素っ頓狂な声を上げる。

 そして、狼狽したように言った。


「お、お前……」


「な、何するんだ! この野郎!!」


 流華は左手で股間を隠しつつ、右手で少年に殴りかかった。

 紅葉だけでなく、流華にも加護(微)は付与されている。

 そのため、彼のパンチの威力はなかなかのものだ。

 流華の拳が少年の顔に命中し、少年は地面に倒れた。


「そ、そんな……バカな……」


 少年は鼻血を垂れ流しながら、信じられないといった顔をしていた。

 いったいどうしたのだろう?

 流華のパンチがそれほど強烈だったのか?

 もしくは、反撃してこないと思っていた相手に殴られて、ショックを受けたのか?


「言わせておけば、滅茶苦茶なことしやがって……! クソが……!!」


 流華はずり降ろされたズボンを引き上げる。

 彼のケツが見えなくなった。

 もう少し見ていても良かったのだが。


 ……ん?

 いや、俺は何を考えている?

 妖艶な美女や清楚な美少女の尻ならともかく、男のケツだぞ?

 興味なんてないはずだろう。

 俺は雑念を振り払い、流華に声をかける。


「大丈夫か? 流華」


「あ、ああ……。その、見たか?」


 流華が恥ずかしそうに尋ねてくる。

 俺は首を振った。


「いや、尻しか見えなかった」


「そ、そうか……。それならよかった……」


 安堵したように息をつく流華。

 おそらく、自分のアレに自信がないのだろう。

 俺のことを『兄貴』と呼んで慕ってくれている流華だが、見られたくはないらしい。

 まぁ、男にとってアレのサイズはデリケートな問題だしな。


「ちなみに、尻の形は悪くなかったぞ」


「へ? な、何を……」


「だから、お前の尻のことだ。すばらしい美尻だった」


 俺がそう言うと、流華は顔を赤くした。

 そして、大声で叫ぶ。


「う、うるせぇ! そんなフォローいらねぇんだよ!!」


「そうか? ある意味では、長所だと思うんだがな。ほら、そいつも……」


 俺は倒れている少年の方に視線を向ける。

 彼は相変わらず鼻血を出している。

 そればかりか、股間を膨らませていた。


 流華は男だが、きれいな下半身をしていた。

 妙な気分になってしまうのも仕方ないことだろう。

 これはチャンスだ。

 このハプニングをとっかかりにすれば、少年から正式な許しの言葉を得ることができるかもしれない。

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