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XIRACO-シラコ  作者: 素巴(もとどもえ)キリマ
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第八話 カニの如くハチの如く

 『九時の方向20m先にターゲットあり三時の方向35m先にシビリア~ン(民間人)』

 私は戦場にいました。場所は数年前に使われなくなった工場内であります。今回はいつもと違い近くに民間人(ハジメは軍人ではないがいい言葉が見つからなかったためにこの表現で)がいます。私はこの民間人を救ってから戦いを始めようと考えていました。

 (シラコさん民間人を助けてから戦闘に入りたいのですが大丈夫ですか?)

 『いいぜ、急げ。ボクチャンが民間の頭をハッキングして寝かせる。ハジメ君はすぐに戦場の外に民間人を運べ。はい変身。』

 私は右に走りました。どうやら民間人は工場の外にいたようでしたので窓ガラスをけ破りながら(読者諸君はマネしないでねと言いつつ作者は小学生の時にやってしまった、一歩間違ってたら作者の右足はこの世に存在しなかった)変身(カメラはハジメの横側から、ハジメが窓を蹴り破ったと同時に変身するという描写で)をしました。地面に着地すると目の前に民間人がいました。見たところ一人でダンスの練習をしていたようですが3秒後にシラコに頭をハッキングされて寝てしまいました。私は彼と荷物を担ぎ上げるとシラコに行き先を尋ねたのであります。

 (シラコさんどこに運びますか?)

 『まずい敵がこっちに来てるぜ。とりあえず20m先の不法投棄されたクッションの上に投げろ。急げ。』

 私は民間人を投げると(変身中のハジメはキウズアと比べると力は弱いがアメリカ海兵隊員と殴り合って勝利できるほど強い)後ろに振り向きました。すると15m先に筋肉質な人間のような手足のはえたカニ型キウズア・スーヅッキーがこちらに向かって走ってきていました。私は3mほど前に走ってから胴体でスライディングをしてスーヅッキーの後ろにつきます。その後素早く寝返りをうってから飛び跳ねながら立ち上がり回し蹴りをスーヅッキーの胴体に当てました。

 ヒュンッ!ガッ!ブクブク(スーヅッキーの鳴き声)

 スーヅッキーは一瞬ひるんで数歩後ろに下がりました。私も後ろに飛び跳ねてバックしました。そこから地面をけると側転一回とバク天を3回しながら敵に近づきました。(これは威嚇の一種)十分距離を縮めてからはいつものようにキックで攻めました。しかし、スーヅッキーの体は丈夫で思ったようにダメージを与えられません。そこで足掛けで地面に倒そうとしたものの敵は受け身を取られた上にドロップキックをされました。これは何とか前転をしてかわしました。

私は戦法を変えて射撃戦に持ち込むことにしました。レトートを連続で撃って敵をダウンさせてからタイラー光線で止めを刺すという作戦であります。まず、敵から距離をとるとさっそくレトートを撃ち込もうとしました。すると敵はさらに私から離れて射程距離外に出て行ってしまったのであります。

 (逃げているのですか?)

 『そうは見えない。だがこの距離じゃハジメ君も敵も手裏剣レトートのことはともかくビーム(タイラー光線)も有効打にはならないはずだぜ。』

 (だったら接近しますか?)

 『そいつはオススメできねーな。けどよー何かをしないと埒が明かないことも確かだな。』

 (その何かって何ですか?)

 『考えているんだよ今、けどよーハジメ君も案を出してくれ。』

 そのとき敵は手を地面につけて何かの液体をたらしたのです。血でしょうか?すると液体のたれた場所が不自然な動きをしながらスーヅッキの手下に集まりました。

 (これっていったい?)

 『ハジメ君下がれ・・・おっとまっすぐじゃなくてジグザグに動きながらだ!』

 (はい?)

 私はシラコに言われたように下がろうとしたときに何かが私の横をかすめたのであります。知るとシラコは今度は窓を割って工場内に入るようにいってきましたのでいわれたとおりに動きました。

 ガッシャーン

 (シラコさんあれは何ですか?)

 『・・・名づけるとしたら自家製練成ニードルといったところかな。この工場内を移動しながら聞いてくれ。ボクチャンたちウクリーはアクセスしたヒトの肉体のタンパク質や神経を支配下に置くことができるけどよーパートナーの肉体の外にある物体には手が出せないってわけだ。』

 (それは知りませんでした。)

 『ところが敵は肉体の一部、ようは血を肉体の外にある物質につけて支配下に置いたわけだ。(よって体から離れてどこかしらに着弾したニードルは崩れてもとの土に戻る)けどよー問題はここからだぜ。仮にいまやつと接近戦をしたら勝ち目がない。一方で射撃戦をしても完全に不利だ。こっちの武器は手裏剣とビームだが射程距離と準備時間がネックとなる。けどよー敵のニードルは命中率はとにかくとして30m先にいるハジメ君に致命傷を与えることが可能だ。』

 (だったら私たちもニードル作ればいいのではないですか?)

 『気持ちは分かるぜ。けどよーそいつはあまり賢い選択とは言えないぜ。ボクチャンだって最初から何でもできるわけじゃない。こんなこと初めてだ。ニードルづくりに失敗すればハジメ君の体力だけが減る。それにここ最近ハジメ君は貧血気味だろ。』

 (だったら時間を作ってビームでけりをつけるっていうのはどうですか?)

 『その時間ってやつはどうやって作るんだ?』

 (この入り組んだ工場の中なら機材を盾にして敵に接近すればニードルを防ぎながら敵に血がづけると思います。)

 『そいつは悪くはないあんだな。けどよーやるとしたら一発勝負だぜ、いいか?』

 (やってみます。)

 というわけで私はなるべく機材が散らかった場所で敵を待ち伏せすることにしました。

 ブクブク

 (敵がこっちまで来てくれたらいいのですが)

 『まあ焦るな。戦なんてそんなもんだぜ。ボクチャンたちの戦いや関ケ原(戦国時代の三大決戦は関ケ原・姉川・川中島である)のように一気にカタのつくやつもある。けどよー普通の戦ってやつは何日も時間をかけながらやるもんだぜ。けどよー向こうにも待ち伏せをされていたらたまったもんじゃねえ、そこでボクチャンたちは待てなくなったふりをする。何でもいい、ある程度質量を持って物体を投げつける。それでハジメ君の居場所をやつに伝える。射程距離に自信のある奴なら近づいてくるはずだ。ボクチャンは正確なやつの居場所をつかんでないがだいたいどの辺にいるか十秒前につかんだ。あまり動きがないところからすると向こうも待ち伏せをしているようだな。』(これは二回目の「けどよー」を言っているときにつかんだ情報。方法はハジメの鼓膜や三角器に入ってきた情報をもとに予測)

私はシラコの言う通りの位置に位置に落ちていたバッテリーと思われる物体を投げつけました。すると敵はこっちの動きに気づいたらしく姿勢を低くして柱の陰に隠れつつ私のいる場所に向かってきました。私は今度はハンマーを敵に投げつけてから機材の散らかった場所に入っていきました。

 『二次の方向に3歩、ジャンプ、十時の方向に前転・・・』

 といった具合にシラコの指導に従いながら散らかった場所を進みました。

 パシュッ!パリン!パシュッ!ガチャン!

 スーヅッキと私の距離が三十メートルを切ったとたんに敵は例のニードル(飛ばすための原理はニードルを練成するときに同時に筒(長さ3cm幅2mmぐらい?)を作りニードルを筒にこめる、同時に筒の中に自らの老廃物等を利用して火薬を作る、この火薬をニードルのしりで爆発させて撃つ、ようは火縄銃と原理は同じ)を撃ってきました。しかし、私は使われなくなった機材の間を通りながら移動をしたので当たらずにすみました。後は敵が弾を補給する際に近づけば勝機があったのですがそうはいきませんでした。

 ブクブクブク!ガッシャン!ドガッシャン!

 スーヅッキは機材を蹴散らしながら接近を試みてきました。これをされてはたまったものではありません。私は固そうな機材をけって壁を蹴ってどこかの地面に着地するはずでしたが思ったより地面が柔らかかったためそのまま壁をぶち抜いてから地面に墜落してしまいました。(けっしてハジメの体重が重かったからではない、ハジメの足裏の表面積が小さいからだ)

 「いだっ!」

 『おい転がれ!次来るぞ!』

 「うわー!」

 敵は体の痛みが抜ける前の私にニードルを撃って来たのであります。シラコは私の体の運転を奪い地面を蹴らせました。その反動で立ち上がって運転を返された私はニードルをよけるためにバク転をしながら後ろに下がっていきました。(なぜこんな描写を入れたかって?カッコイイからだ、読者諸君、間違って某秘密結社に捕まって改造人間にされてもバク転をするヒーローに攻撃を当てたりするなよ、当てた怪人は怪人のクズだ!ついでにバク転をするハジメの足元で火薬をたくとかっこよく見えるぞ)ニードルが当たらないと見た敵はこっちに近づいてきました。私はすぐに敵に向かって駆けていくと胴体でスライディングをします。敵は私の動きと連動して首(胴体)を下に向けてきました。これば狙い通りの動きであります。私はすぐに背中をシャチホコのようにそらしながら敵の頭にキックをしたのであります。(シャチホコキック)

 意表を疲れた敵はよろめいてしりもちをつきました。私はこの好きに三発レトートヲウチ敵の動きを封じ込めました。よしっあとはタイラー光線で・・・今度の敵はどんな一言を残すのでしょうか・・・でもっ

 ビィィィィ・・・チュドーン!

 『おいっ伏せろ!ハズレだ!次撃てっ・・・照準はボクチャンがつけるっ!撃てっ急げっ!』

 心の迷いを出してしまいました。今度はちゃんと集中しないといけません。キウズアさんごめんなさっ・・・

 パシュッ!ドチュッ!!・・・ギャアアアアア!!

 失態であります。私はニードルで右の掌を撃ち抜かれて激痛に襲われたもののすぐにシラコが右腕の痛点を切ると同時に傷口をふさいでくれました。しかし、今私は圧倒的に不利な状況に追い込まれました。敵が健在である一方私は手負いでかつタイラー光線を二発も失敗して体力に限界が近づきつつありました。

 『今日撃てるビームはあと一発だぜ、多分。けどよーあきらめるな。それと十秒後に痛点戻すぜ。』(四行前のXIRACO-シラコの行動は実はうっかりミス、全身の痛点を切っておけばよかったものの右腕の感覚を他の器官から独立させてしまったのだ、この状態だと右腕と他の器官を連動させて動かすことができないために痛点を元に戻したのだ)

 「でもっ今は・・・ガフッ!」

 バシッ!ドガッ!

 スーヅッキーは痛点が戻った私にパンチとキックを浴びせてきました。(ハジメが殴られる際には火花を出してください出さないと本当に痛そうに見えるから、作者だって未成年の異性が暴力を受けているところを見たら心がいたくなるのだ)右手があまりにも痛かったためあまり痛くは感じなかったのですがこのままだと死亡確定であります。とりあえず敵の腰にしがみついて打撃をされないような状況を作り出すものの二秒で投げ飛ばされて機材で散らかった床に叩き付けられて結局痛い思いをする羽目になりました。

 敵は私にとどめを刺すために胴体でタックルをしてきました。状況は最悪でしたので私は生き残るために手段を選びませんでした。近くにあったコンクリート片を手に取るとタイミング良く敵の頭に叩き付けました。

 ゴキッ・・・

 これでもかというぐらい嫌な音がして敵は崩れ落ちました。

 『トドメだ。』

 私は三発目のタイラー光線でスーヅッキーを葬ってからその場に倒れこみました。


 つづく 正義の味方は辛いもの

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