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XIRACO-シラコ  作者: 素巴(もとどもえ)キリマ
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EP12 拳を突き出して

オレって人間(十七歳♀)には撲殺すべき人間がいる。しかし、オレは実際に人を殴ったことはほとんどない。そもそも俺は中学三年生の前半までは良い子だったからあまり暴力には縁がなかった。そりゃ体鍛えてるから出力は結構出るはずだが。今はその鍛えた体を試す日である。

 今日のオレは学校をサボって(語源はフランス語なのだ)赤ブチ眼鏡をかけた男をストーキングしていた。彼を追いかけていればやがて彼は防衛本能によって人気のない場所でキウズアに変身するはずである。なんてことを考えていると男はやがて人気のない川辺に立ち止まる。

 (やっとか?)

 『ああ、そうだ。変身して戦うんだ、いいか?』

 (戦士フーワカが変身する意義って何なんだ?)

 『ケジメだよ。変身時のイメージはもう見ただろ?』(デザインはXIRACO-シラコ)

 (ゴスロリっぽいのは好きじゃねーんだよ。)

 『トワコ君は細かいなー。けどよー成果を出したら少しぐらいは待遇を良くしてやるぜ。』

 気がつくとオレの目の前には黒くて平べったい甲羅を持つカメのような化け物キウズア・ハマーグッチがいた。化け物って本当に要るんだな。たまげたぜ。

 (これってキウズアってやつか?)

 『あーそうだぜ、こっちも変身だ。』

 オレは右手の甲を左鎖骨の前に持ってくるとすぐに手を空に向けて伸ばす。すると俺は赤い光に包まれてから(トワコは果たして本当に赤い光に包まれたのか?本当は目元だけ赤く光ってたなんてこともあり得る)意に反する形で真上にジャンプをして宙返りをすると、両腕をL字状に曲げて拳を握り、立てひざになりながら地面に着地する。すると、俺の周辺から2mほどある土煙が立ったんだぜ。(ハジメとは違いトワコには重量感を出してください)こいつは爽快だったぜ!よしっ敵をぶちのめして俺の力を証明してやるぜ!

 オレは敵に向かって走っていく。(トワコが走るときは足元に土煙を立て画面も軽く揺らしてください)ところが再び意思に反して足が止まり奇妙なポーズ(ハジメの戦闘ポーズ、詳しくは第四話で)をとってしまう。

 (なんだよこれ、気持ちワリ―)

 『無闇に突っ込むな。ついでにこれはハジメ君洋のOSをトワコ君の体に合わせたもんだぜ。』

 (オレはジャンプ好きじゃねーんだよ。体がムズムズするし(トワコはのOSの影響で普段感じることのないハジメが戦闘中に感じる緊張を感じているのだ)オレのやり方で戦わせろ。)

 『トワコ君のやり方は前に突っ込むだけだろ?イノシシみたいにな。けどよートワコ君の場合は牛か?』

 (誰がホルスタイン(乳牛)だ?あ!?)

『そこまで言ってないって。けどよー初心者ならまずは攻撃を受け流して様子をみろ。』

 一方ハマーグッチは接近戦に持ち込むためにオレに近づいてくる。オレはシラコの言うことを無視して左腕でハマーグッチの前進を阻む。反動で十cmほど後ろに流されたものの敵の動きを止めたぜ。オレは間髪入れずにパンチを決めてやったぜ!

 バシッ!

 『こいつは恐れいった。』

 (どうだ?オレって強いだろ?)

 『あー認めてやるよ筋肉に関してはな。けどよー油断はするなよ。』

 (ふっオレの力を見くびってもらったら困るぜ。)

 オレはそういって首を上斜め右45度に振るとハマーグッチの尾を引っつかむとそのままハンマー投げのようにグルグルと振り回してやったぜ。(ハジメがこれと同じことをしたら脱臼してしまう)ヤローは空中で手足をばたばたさせてるだけで何もできねえ。いい気味だぜ。スイングの速度が十分上がったところでオレはパッと手を離してやったぜ。するとヤローは勢いよく放物線を描きながら二十メートルほど飛んでいったわけだぜ。

 「うわぁぁぁ!」

 ドサッ!

 あれっ?よく見たら落下地点に民間人いたじゃねーか。悪いことをしたように思えるがこいつは必要な犠牲だったに違いないぜ!オレはハマーグッチを追う。

 ハマー口の近くに駆け寄ったオレは首を右上斜め四十五度に振ってから体重をかけたひじうちでとどめを刺そうと勢いをつけた。だが、その時はマーグッチはオレの足をつかんでくる。オレはすぐさまヤローの手を振りほどこうとしたものの次の瞬間体に電流のようなものが走りその場に倒れこんでしまったのだ。

 (おい!シラコこの電流みたいのは何だ!?)

 『まあ落ち着けって、けどよーこいつはみたいなものじゃなくて電流そのものだ。』

 ハマーグッチは地面に倒れこんだ俺の両腕をひっつかむと無理やり立たせる。ヤローはまた電流を流してくる。心臓に悪そうだな、こりゃ。

 ギャー!

 (さすがにこいつは痛え、血管にカラシマヨネーズ注入されたみてえな気分だぜ。シラコ何とかしろよ。)

 『いざって時に人(?)に頼るなっ!けどよー今ボクチャンはその何とかをしている最中だ。トワコ君のタンパク質の一部を絶縁体(要は電気を通さないもの)にしてやったんだぜ。』

 (ゼツエンタイ~?何だそれ?おいしいのか?)

 『少しは勉強しろ、この脳筋ホルスタイン!』

 (あ!?ブッコロス!)

 『ああブッコロシテくれ、けどよーボクチャンじゃなくて敵をだぜ。』

 (くそっこのままじゃらちがあかないぜ。ところでヤローはどうやって電気出してんだ?)

 『こいつはトワコ君に理解できるかどうかは分からねえ。けどよーボクチャンなりにわかりやすく説明してやるぜ。トワコ君はデンキウナギ(体長の四分の三が尾と変わったヤツ、アマゾン川に住んでいる)って魚知ってるか?』

 (ああ、ウナギと名乗ってるくせにウナギじゃないヤツだな?)

 『余計なことは知ってるんだな。まあいいとしよう。敵は自らの筋肉の細胞を発電細胞に変化させることによって電気を生み出しているってわけだ。』

 (ハツデンサイボー?でどうやって普通の細胞をハツデンサイボーに変えたんだよ?ってゆーか何を原料に電気作ってんだよ?)

 『これだからヴァカは・・・いいか質問ってやつはただすればいいって門じゃなくてな自分の置かれた状況やトラブルをストレートに把握するためにするんだ。分かったか?エセDQNけどよー原料はATP(アデノシン三リン酸の略、まあ生物が体を動かしたり体内で化学反応を起こす際に使う物質と思ってね、またの名を「エネルギーの通貨」)とだけ言っておこう。』

 (PSP?それ原子力エネルギーとどう違うんだ?もしかしたらヤローをほっといたらメルトダウンするとか。)

 『メルトダウンなんかしないよ。パワー切れはありえるけど。けどよーそれより先にトワコ君の心と体が狂うほうが先だ。いいか?よく覚えておけ、電撃調教された動物は二度とご主人様に背くことができなくなるんだぜ。』

 (なんだ?このオレがカメのペットになるってか?っておい何かビリビリ弱くなってないか?)

 『ATPを消費し尽くしたのか?だったら反撃だ。トワコ君、もう動けるだろ?思う存分ボコボコにしてやれ。』

 オレは首を右上斜め四十五度に振るとハマーグッチの両腕を振りほどいてから片腕を思いっきり引っ張り背負い投げ(トワコは柔道をやったことがないからフォームは汚い)をしてやった。ヤローは地面に激突するとすぐに体勢を立て直す。この程度じゃだめか。もう少し痛めつけてやるか。

 オレと敵は同時に互いに向かって突進をして二秒でぶつかり合う。(二人がぶつかり合ったあたりの地面に土煙を立てる)オレのほうが力と体重があったらしくヤローは0.5秒後に三歩後ろに下がる。(まあハマーグッチはATP使い切ってるし)オレはさらにヤローに迫ってからヤローに抱きつくとヤローを軸に反時計回りに走ってやる。(ヤローヤローうるさくてすんまへん)ヤローの周りを四周ほど回ってバランスを崩すと首を引っつかんでから振り回して投げてやったぜ。(ロリータホイップ、友人ロリコンに聞いた幼女と共にしたい動きを元に考えた技だ、ついでに作者は2,3次元問わずに年上が好き)

敵が十五mほど先の地面に激突したらオレはすぐにヤローに駆け寄ってからヤローを持ち上げては地面に叩き付けるという行為を一分間に八回やってやってぜ。

 『トワコ君、今とても気持ちイイのは分かる。(初めて戦場に出た兵士はテンションが上がり過ぎて必要以上に銃を乱射してしまうことがある、トワコはこれに似た症状にかかっている)けどよーそろそろとどめをさせ。精神が病むぞ。』

 (例のビームってやつでか?オレ飛び道具って好きじゃないんだぜ。)

 『文句言うな。いかなる手段を使ってでも勝て!それが戦だっ!!』

 (あー分かったぜ。殺しゃいいんだろ?)

 オレは弱ったハマーグッチの腰をつかんで持ち上げると近くの舗装された道路まで走りそこで敵が地面と垂直になるように背中側に叩き付けてやったぜ。(地獄落とし)ヤローは一言を残し即死したぜ。

 「あともう一度・・・」

 (オレは強いっ・・・これで証明されたぜ。)

 『あー分かった。けどよーまだ帰るなよ。死亡チェックとボクチャンの食事時間と巻き込まれた民間人の処理が残ってるからな。』

 オレはかがんでからヤローの死体に触れる。その三秒後にヤローの死体は灰のように崩れて粉々になった。さすがにこいつはビビったぜ。(実は零距離でタイラー光線を撃ったもののXIRACO-シラコが調整したため爆発は起きない)シラコの食事とやらが終わるとオレは仁王立ちで変身を解いてから家に向かって歩き出す。

 『オイオイ激しい運動の後だぜ。少しは休んでもいいんじゃないか?』

 (オレの体のできはハジメちゃんとは違うんだぜ。なぜならオレは強いからだぜ。)


 つづく 戦いは引き継がれた

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