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財物欲の臓物造形 一話
――朝早くに目が覚めて礼拝堂に祈りを捧げていた。
日曜なのだから急ぐ必要はないが、これはもう癖だろう。
「あ、おはようございますマザー」
「おはよう蝶ちゃん」
孤児院のシスターに挨拶をし、食事の前に祈りを捧げる。
「シスター、ちゃんは止めてください」
「蝶くんがここに来てもう18年になるのね」
僕は赤ん坊のときに孤児院の前に捨てられていたらしい。
「今までお世話になりました」
「あらあら、高校まではいていいのですよ」
経営難で僕が出たらここは取り壊される。
高校を卒業したら奨学金を返しながら働く日が始まるのだ。
「シスター、今日はいつもとメニューが違いますね」
「卵を切らしてしまったそうなのよ」
孤児院には栄養管理をしながら調理する人がいる。
会ったことはないが、その人もここで育ったからと無償で料理をしてくれているのだ。
「なら買ってきます。ああ、ついでに牛乳も今切れたので補充しておきます」
周りからは欲しいものが買えなくて不便ではないかと聞かれるが、生活に必要なものは支給され、不自由はない。




