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スキル、決めました。

取得するスキルを決めるお話。


古白が言うには俺はもう最高でも後30分ぐらいしかこの世界にいられないらしい。しかも俺は技能取得が終了すればすぐにでも、地上の何処かにランダム転移で放り出されるらしい。まあ完全にランダムというわけでなく近くに同じ種族が居る場所を割り出して、その魂をたどるように俺を送り込むようにしないとここから人の居住可能な地上にうまく俺を転移させられないからそんなめんどくさいことになっているという事情があってのことらしいが……。なんでもその他の手段だと迷宮の最下層とかにある祭壇に直接送り込むような方法しか残っていないらしく、使用できる祭壇なんかは当然未踏破の場所となり、その祭壇の周囲は強力な魔物がウヨウヨいる場所になるわけである。転移して何もしないまますぐに死にたくないので、もちろん誰かのそばに転移させていただく事にした。まあその相手が悪人か善人かは選べないわけだからこっちも結構微妙な選択肢ではあるんだが……。まあ生存率はこっちの方が高いだろう。


この辺の事もちゃんと聞いといて良かった。人間が普通にいる事も確認できたし。願わくば性格のいい美少女(彼氏なし)のそばとかに放り出される事を願っておこう。まあ大体こういう事を願うと、盗賊団とかの前に放り出されるフラグになりそうだが……。


しかし人のそばに転移できたとしても、いきなりラストダンジョンみたいなとこに放り出される可能性が0じゃ無いのはこわいな。今後はどんな特性の相手とどんなタイミングで戦う事になるのか全く未知数なので、技能はオールラウンドに広く浅く取り、攻撃力一点強化の脳筋仕様にすることは避ける事にした。やばい時はその場から逃げ切る事を目標に技能を割り振る事にした。あとサバイバル能力も必須だろう。



俺が取得した技能は以下の通りだ。


異世界言語(10000GP)

全魔術属性開放(10000GP)


まずこいつら二つを取得した。次に魔法や武術の技が使えるようになる為に、


身体操作(Lv10:合計550GP)

魔力操作(Lv10:合計550GP)

魔力精密操作(Lv10:合計1100GP)


をとる。その上で以下のものからどんどん取得して行った。


下級無属性魔術(Lv10:合計550GP)

下級火魔術(Lv10:合計550GP)

下級水魔物(Lv10:合計550GP)

下級風魔術(Lv10:合計550GP)

下級土魔術(Lv10:合計550GP)

下級治癒魔術(Lv10:合計550GP)


これらは実際に取得してみないとある程度どの位の頃ができるかは把握できないらしい。他の技能の有無やそのLvによって何ができるかは個人によって結構異なるらしく、その為Lvを一つずつ挙げて確認していく必要があった。そして次は、


下級魔法陣術(Lv10:合計550GP)

紋章術(100GP)

刻印術(100GP)

下級道具作成(Lv10:合計550GP)

下級魔道具作成(Lv10:合計1100GP→550GP)


ここで道具作成系の技能や全魔術属性開放は趣味と思われるかもしれないが、砂漠や雪原のど真ん中に放り出されても生きていける技能を持っておいた方が良いことを考えると、いろんな魔術が使える事や様々な道具が生み出せることは生存率を大幅にあげる為には必須だろうと判断して習得してみた。道具作成は必要に応じて何か作れないと積む可能性をもあるしね。

これらの技能は取得後に頭に流れ込んできた知識で、材料さえ揃えば洗濯機なんかが、なんとか再現できそうな感じである。がその知識も具体的な部分が結構抜けてたり、魔法陣の描き方や刻印の削り方なんかについても結構曖昧だ。そこまでうまく使えないかもしれないがあった方がずっといい能力だろう。

精霊魔術にも興味があったがこの魔術はは種族特性上習得の為のGPが高いらしく、扱うのにさらに追加で妖精眼(5000GP)が必要なので諦めた。


強化系項目は不安なのでMAX取る事にした。身体は資本である。


生命強化(Lv10:合計550GP)

肉体強化(Lv10:合計1100GP)

体力強化(Lv10:合計550GP)

魔力強化(Lv10:合計1650GP→1100GP)

敏捷強化(Lv10:合計1100GP)


これらは鑑定時に閲覧可能な肉体の数値、つまりゲームでいうところのステータスに補正がかかるものであるそうだ。自然発現の条件が厳しいと予想したも取得理由になった。魔力強化は魔力操作系の影響かお得な感じになっていた。


状態異常耐性強化項目は耐性がありすぎても危機察知能力が下がってしまいそうなので適度に取ることにした。少し迷ったが、そういう理由からも痛覚耐性には手を付けず、取り敢えずサバイバルして居る最中に必要そうな以下を取得した。


毒耐性(Lv3:合計180GP)

麻痺耐性(Lv3:合計180GP)

混乱耐性(Lv3:合計180GP)

恐怖耐性(Lv3:合計180GP)

石化耐性(Lv3:合計180GP)

盲目耐性(Lv3:合計180GP)

呪詛耐性(Lv3:合計180GP)


そして次に当初の予定通り、


下級隠蔽(Lv10:合計550GP)

中級隠蔽(Lv10:合計1100GP)

上級隠蔽(Lv10:合計1650GP)


を取る。異世界に住む常人と比べて膨大なスキルを取得してしまう事は避けられないようだから、この類のスキルはある意味異世界言語なんかよりも重要なのかもしれない。ステータスの改竄系の技能とどちらを取るかで少し悩んだが、生活する上で他人から見てステータスの値との誤差による不自然さが滲み出ると困るので、素直に実力を隠している体で行こうと決めた。そして技能を取得してから判明したのだが、


忍び足(50GP→20GP)、

無音移動(100GP→40GP)

擬態(100GP→40GP)

気配遮断(Lv10:合計550GP→220GP)

魔力遮断(Lv10:合計550GP→110GP)


といったような技能は隠蔽術の中に体力総量(SP)や魔力総量(MP)を消費して使用する事ができる同名の技能があり、個別に技能として習得しておくと、それらをSPやMPをほとんど消費する事なく使用できる事が判明したので、これらも迷わずに習得した。


戦闘に使用する武器は、日本人としてイメージしやすい刀剣術と弓術をメインにすえる事にした。そこで、


下級刀剣術(Lv10:合計1650GP)

下級弓術(Lv10:合計1650GP)


を取ると、他のスキルも含めて、狩猟術や忍術、暗殺術に含まれるらしく。これら三つの取得GPが大幅に下がったので


下級狩猟術(Lv10:合計1650GP→110GP)

下級忍術(Lv10:合計1650GP→110GP)

下級暗殺術(Lv10:合計1650GP→110GP)


もとっておく事にした。できれば暗殺術のお世話にはなりたく無いものである。すると、


気配察知(Lv10:合計550GP→110GP)

魔力察知(Lv10:合計550GP→110GP)

下級投擲術(Lv10:合計1650GP→110GP)


となるらしくこれも迷わず取得する。これで物理と魔術の近接と遠隔の攻撃手段を得て一安心である。


そして趣味で


『魔眼(未開放)』(8000GP)

魂魄を捧げる事で、その量と性質によって対応する特殊技能を持った魔眼へと変化する。現在は普通の眼である。持てる性質は最高で5つ以内であり、

溜め込んだ魂魄を開放する事でその性質を任意に破棄する事が可能である。


をとった、成長する魔眼。ワクワクするね。技能はこれで合計28700GPである。



ちなみにGPから生み出した道具についてであるが、よくゲームあるインベントリや、ラノベに出てくるアイテムボックスといった無限収納系のアイテムはアホみたいにGPが必要であり、空間魔術系スキルも同様なので諦めた。よっていくら有用な道具を多くもっていても運べないと意味がない。そもそもサバイバル要素が絡むなら最初は可能な限り身軽にする必要がある。取り敢えず勧められていた、


異世界入門セット(GP:30)

(2セット分の服と下着、革製のブーツ、飲料水入りの水筒、三日分の食料、リュックサック、テント、寝袋、金貨3枚、銀貨5枚、銅貨10枚、鑑定石板、不滅の作業ナイフ)


をとった。他の道具と比べたらこれだけやたらとコスパがいい気がする。服や靴が含まれている理由は、なんでも今きているTシャツとジーンズは、魂が無意識に作り出しているらしく。この姿が自然な自己認識を投影したものだからであって、完全な肉体を与えたら消えてしまうらしい。よって装備を整えつつ随時着替えていくことにする。


次に武器防具関連だが、こんな感じのものってあります?とかいいなが聞いていたものの中で組み合わせも良く、さらに運んでいても取り回しが良さそうなものを選んでおいた。以下のようなものである。


魔力の弓(GP:800)

ATK?

MATK?

耐久値500/500

MPを消費することによって、その使用量に応じた威力の矢を放つことができる。基本は無属性の矢だが、魔力を使い分けることによって自身の持つ属性にかぎり、これを付与した矢放つ事ができる。別途に用意した矢を用いて、通常の弓としても使用可能。特定の銘はない。


忍刀(再生付与)(GP:500+500)

ATK+800

耐久値500/500

魔鉄鉱から生み出された業物の忍者刀と、刃の再生の能力が付与された鞘を持つ高級な2対で1つの魔導具。刃の部分が欠損した場合鞘に戻して放置しておくと、その損傷具合に応じた期間で刃が再生する。意図的にMPを注ぐことによってその再生速度をあげる事ができる。特定の銘はない。


魔法銀の鎖帷子(軽量化付与)(GP:700+100)

DEF+300

MDEF+300

耐久値500/500

魔力親和性が高い魔法銀製の鎖帷子に装着時に重さを減らす軽量化の魔術が付与されて居るもの。一時的な属性付与をかけやすい。意図的にMPを込める事でその強度をより高める事もできる。特定の銘はない。


狩猟神のローブ(透明化付与)(GP:300+700)

DEF+20

MDEF+20

耐久値300/300

特殊飼育された岩石蜘蛛の糸を加工して編まれた防塵のローブに透明化の魔術が付与されているローブ。透明化の魔術を行使するには魔力を込め続ける必要がある。また移動速度が下がる。かつて狩猟の王と呼ばれた男が愛用していた。



メインは魔力の弓にした。以前見た事のある弓道部の奴らが持っていた和弓程大きくはなく、小さすぎて威力が出ないと言った風でもない。技能をとったとはいえ使いこなせるか心配だ。


忍者刀は小太刀ぐらいの長さで反りのある小さな日本刀と言った感じだ。つばが無く黒塗の鞘に収まっている。こいつをまずは腰の後ろに吊るすようにした。腰帯にくくりつけ右手で抜きやすい位置に調整する。


次に魔法銀の鎖帷子を下着と上着の間に着込む。ほとんど重さを感じない素晴らしい出来だ。


そして入門者セットの詰め込まれたリュックを背負ってみる。鎖帷子よりリュックの方が重い事もあって、100GP分の付与魔術ってひょっとしてかなりすごいんじゃないかって事に気づく。冷静に考えてみると、100GPで取得できる技能って結構すごいし……。この武器防具って実はかなりやばいものじゃ無いのか?まあいいか、武器はこっちの命に直接関わるものだし。とそれ以上考える事はやめた。


入門セットに含まれるテントや寝袋は一人用で、しかも雪や雨の時に使用する事を考えていないのか、かなり薄い布でそれ程かさばらない事もあってリュックはそれ程大きくない。そのおかげもあって次に狩猟神のローブで問題無く体全体を覆える事を確認した。しかしリュックを背負っていると少し動きにくい気がする。転移時には、リュックの紐は片方だけ腕に通しておいて転移直後からまずい状況だったら即座に地面にすておけるようにしておこう。


この狩猟神のローブだけ道具生成で銘がついていたわけを話すと、初めはとにかく丈夫なローブを求めた。その結果が布のくせにやたらと高いこの耐久値なのだが、追加で透明化の付与魔術を指定した途端に、名前が変わったと古白に言われた。何でも、ほぼ同一のものが異世界で存在していた場合、その銘が世界のシステムの影響でがタグ付によって刻まれてしまうらしい。つまり他の道具は今初めて世界に生み出されたものになるそうだ。弓や忍者刀に関してはそのうち名前でもつけてくれと古白はいって笑った。これで残り1131GPである。


魔術の発動体である杖の類を持つ事も考えたのだが、杖も刀も弓もと全部持って戦うのはあまり現実的ではない、そう言った意味ではかさ張らないし小さなステッキタイプのものは少し魅力的だったが、杖のメリットは突き詰めると魔術発動時のMPの減少や威力の増加、魔力操作の向上に特化していて魔術そのものは発動体が無くても使用できるので見送る事にした。


変わりに、1000GP消費して、『成長の腕輪』というものを生成する事にした。これは位階が上がる際に、ステータスにボーナスが付くというものである。


これには理由がある。古白との異世界談義の中で、技能の中に『位階の上限制限解除』というものがある事を知ったからである。上げられる位階の最大値は個々の魂によって異なるらしい。幸い俺の上限値はかなり大きいらしいが、もし仲間を得た時にそいつらを強くする事を考えれば、この腕輪は役に立つと思ったからである。位階が上がれば上がる程必要な魂魄量は膨大になっていくらしい。なので位階の上限がどれだけ高かったとしても

位階をあげる為に必要な魂魄量が確保できないのであればそれ以上は強くなれない。位階の値が低いうちからこれを装備しておく事で得られる成長ボーナスはある意味限界を超える為の鍵になるのではないか、と考えたのである。まあどの程度のボーナスがつくかは分からないがGPの還元率的に見ても低いって事は無いと考えられる。残り131GP。


ここで古白にアドバイスを求めると


洗脳耐性(Lv3:合計180GP→120GP)


を進められた。聞かなかったら取らなかっただろう。洗脳とかマジで怖すぎる。取得ポイントが下がった理由は各種耐性や魔力操作、暗殺術などのLvが一定値を超えていたからだそうだ。残り11GP。


洗脳で連想するのもあれだったが、狩猟者にはペットの犬が付き物だった事に思い至る。狩猟者のアクティブな技能に魔獣飼育(モンスターブリード)があったので、せっかくなのでパッシブスキル化しようと思い、


魔獣飼育(Lv1:30GP→10GP)


をとった。Lv1だけど犬コロぐらい問題なく飼える様になりそうだし……。残り1GP。


そこで唐突だったが魔眼は目立つのではないかと考えた。何となしに古白の住む庵から窓の外に目を向けたら窓ガラスに写っている自分の魔眼に変えた左目の瞳の色が紫になっている事に気付いたからである。「能力は隠すべきだ。」という中2心全開の判断のもと1GPで真っ暗な眼帯を生み出してもらう。しかし1GPというのも値は小さくともそんなにバカに出来ないものが作成可能なポイント量なので、結構作りのしっかりした眼帯が手に入った。うむ素晴らしい。それを身につけ終わると古白が声をかけてきた。


「そろそろですかな……。ポイントを使い切ったのならもうここにはそれ程居られないでしょう。」


意外な事に何処となく寂しそうだ。


「はい、いろいろありがとうございます。」


半日とはいえ質問ばかりされて結構うんざりしているのではないかと思ったが。こちらの申し訳なさそうな表情が伝わったのかもしれない、古白少し慌てたようで。


「いえ、お礼はいりませんよ。私もずいぶんと久しぶりに人と話せましたし。」


そして彼は少し迷ったそぶりを見せたあと、


「実は私は元々君がこれから向かう世界の住人でした。試練の祠を命からがら踏破したのは良いものの、もはや力尽きる寸前というの状態に陥ってしまいましてね。祠を踏破した際に見つけた祭壇で儀式を行って命をつなげようと試みたのですが、儀式の途中で命が尽きて儀式そのものが不完全なものになってしまいましてね。魂魄の一部がこの世界に囚われてしまったのですよ。そこを哀れんだのか、都合良くこき使ってやろうと目論んだのかは判断し兼ねますが、世界の管理者たちに目を付けられましてね、ごらんのとおりです。君がいつか祭壇を見つけたらぜひここにきて、あの懐かしい世界の話を聞かせてください。結構な無茶ぶりになるんですけどね。」


そう言ってからからと笑った。勿論俺の答えはこうだ。


「ええ、ぜひそうさせてもらいます。また会いましょう。なんでも俺の魂は鍛えていかないと大変な事になるみたいですし。」


その返事に彼も気を良くしたのか、


「でも祭壇で魂をここまで飛ばそうと思ったら、10000P以上の取引を行う必要があるのでかなりきついですけどね。」


といって意地悪そうな顔で笑った。確かに10000GPの入手はかなりきつそうだ。そもそも祭壇を見つけるのもかなり苦労するみたいな事を言っていた気がする。まあ遠くにいる友人に会いにいくと思えば良い目標になるだろう。それに、実質この世界での俺の育ての親?というよりは先生か師匠に近い人物になるわけだし。そう考えると随分とお世話になった気がする。


「では良い人生を。」


そう古白が言った瞬間、半分の視界が暗転した。



さて、彼の異世界生活が始まりますよ。

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